2017年9月21日 第38号

 ノバスコシア州沖で、絶滅危惧種に指定されているタイセイヨウセミクジラの死亡が続いていることを受け、カナダ交通省は付近を航行する船舶の速度を10ノットに制限する措置を8月から実施している。船舶交通量の多い海域に生息するこのクジラの死因の一つに、船舶との衝突が挙げられているため。同海域では今年6月以降セミクジラの死が相次ぎ、今月16日までに11頭の死亡が確認されている。

 8日には速度違反をしたクルーズ船に対し、交通省が罰金を科したが、今度はカナダ沿岸警備隊の警備艇サー・ウィリアム・アレクサンダー号がスピード違反を起こし、6千ドルの罰金に処せられることとなった。

 警備艇が違反した場所は明らかにされていないが、交通省はケベック州とプリンスエドワード島の間にあるセント・ローレンス湾西部を航行する全長20メートル以上の船舶に対し、厳格にこの制限を適用すると話している。

 サー・ウィリアム・アレクサンダー号はノバスコシア州ダートマス基地に所属する全長83メートルの軽砕氷船で、最高速度は16ノットとなっている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。