2017年9月14日 第37号
ブリティッシュ・コロンビア州からアルバータ州にかけての広い範囲で4日夜、流星の中でも特に明るい火球が目撃され、多くの人がソーシャルメディアで報告したり、警察や報道機関などに連絡したりした。
それらによると、火球の出現時刻は太平洋夏時間で午後10 時14 分ごろ。まばゆい緑色の閃光を放った火球は、やがて暗いオレンジ色に変わって消えたという。また、その1分後ぐらいに大きな音や空気の振動を感じたと報告する人もいた。
またアメリカ気象学会にも、カナダからはBC 州からサスカチワン州まで、またアメリカ側ではワシントン州、アイダホ州、およびモンタナ州から計90 件以上の情報が寄せられた。同学会では、この火球はBC 州ボズウェル上空で大気圏に突入、約100キロメートルを燃えながら飛行し、同州ミドウクリークあたりで燃え尽きたと推定している。
警察にも多くの目撃情報が入ったが、同様の過去の例から見てその正体は隕石だろうと推測されるが、折からの山火事の煙のため実際にどんな物体だったか、またどのあたりに落下したかは確認困難だと話している。
燃えて落下する隕石が燃え尽きずに地上に激突した場合、新たな山火事が発生するのではないかと心配する声も聞かれたが、ブリティッシュ・コロンビア大学で天文学と天体物理学を教えるジェイミー・マシュー教授は、隕石は地面に落下する時までには速度が落ち摩擦熱も冷め、単なる石となっているため周りの木や草に火が点くことはないと、その可能性を否定している。
また防犯カメラが捉えた映像などから、マシュー教授はこの隕石の大きさを長椅子程度だと推定している。この程度の隕石だと燃え尽きなかったとしても非常に小さくなっており、クレーターなどを作ることもなく、森の中に紛れ込んで発見することは不可能だと話していた。