2017年8月31日 第35号
マイク・ダフィ上院議員が上院と連邦警察(RCMP)を訴えたことが8月24日分かった。ダフィ議員の代理人が記者会見で発表した。
2013年から起こった一連の上院議員経費不正受給事件で、上院とRCMPに不当に扱われ「精神的、経済的な苦痛を強いられた」と、約800万ドルを要求している。
一連の事件では、上院議員が住宅手当を不当に請求し受給しているとの疑惑から上院で調査が行われた。その時に不正受給を指摘されたのが、当時の保守党系のダフィ議員、パメラ・ウォーリン議員、パトリック・ブラゾー議員。上院は3人を停職処分とし、給与の支払いも停止した。その後、RCMPが刑事事件として捜査。2014年7月、ダフィ議員は、31件の詐欺、収賄、背信の罪に問われた。
ダフィ議員だけが刑事事件となった背景には、当時の保守党スティーブン・ハーパー首相の首席補佐官ナイジェル・ライト氏が返金分全額を肩代わりしていた事実があった。これが収賄容疑となったが、ライト氏に贈賄容疑はかかっていない。
結局2016年4月に、オンタリオ裁判所は31件すべてについて無罪と判決。ダフィ議員は上院に復帰した。
ダフィ議員は、自分だけが標的となったことに、上院や保守党に一連の事件の幕引きのために罪をかぶせられたと主張。今回の訴えで自身の名誉を回復するとともに、議員の権利が守られるきっかけになることを願っていると声明を発表している。