2017年8月31日 第35号

 ジャスティン・トルドー首相は8月28日、小規模な内閣改造を発表した。ジュディー・フット公共サービス・調達大臣が24日、個人的理由で辞職を表明。次期大臣の任命を機に小規模内閣改造が行われた。焦点は先住民族の問題解決への対応。これまでの先住民・北方省を分割し役割を分担することで早期解決の意欲を示した形だ。

 これまで先住民・北方大臣として先住民問題を一手に引き受けていたキャロリン・ベネット大臣が、政府・先住民関係兼北方大臣として連邦政府と先住民の橋渡し役を担当、先住民担当大臣にジェーン・フィルポット前保健大臣が就任し、先住民族の生活環境向上を目指す。両者とも医師の経歴を持つ。

 フット公共サービス・調達大臣の後任には、カーラ・クワルトロー前スポーツ・障害者大臣が就任した。

 その他、スポーツ・障害者大臣にケント・ヘア前復員軍人大臣兼国防副大臣が、保健大臣にはジネッテ・タイラー前財務大臣政務官が、復員軍人大臣兼国防副大臣にはシーマス・オーリガン議員が就任した。元テレビキャスターのオーリガン復員軍人相は2015年選挙で初当選。しかしアルコール依存症を改善するため2016年1月に一時議員活動を停止、同月中に職務復帰した経緯を持つ。トルドー首相の友人としても知られている。フット公共サービス・調達大臣の後任に就くのではと予想されていた。

 今回の内閣改造についてトルドー首相は、古い体制のままだった先住民省を改革することができたと語った。

 トルドー首相は、選挙公約に先住民族との対話重視と環境改善を掲げていた。しかし、政権担当後もなかなか問題解決は進まず、先住民族からは不満の声が上がっていた。

 

 

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