2017年8月31日 第35号

 アルバータ州カルガリー市出身の先住民ヒップホップ・ミュージシャン、ジェレミア・マニトパイスさんが8月27 日、アメリカの大手音楽専門チャンネルMTV の賞を受賞した。

 マニトパイスさんは先住民族クリーとソウルトウの混血で、ドレザス(Drezus)の芸名で活躍している。

 マニトパイスさんらが制作したビデオクリップ『立ち上がれ(Stand Up / Stand N Rock)』は、アメリカ・サウスダコタ州スタンディング・ロック保留地そばのパイプライン建設に反対している先住民スー族の活動にスポットを当てたもの。

 またこのビデオクリップ制作のために先住民アーティストに声をかけたのは、アメリカの有名ヒップホップグループ、ブラック・アイド・ピーズのメンバーのひとり、タブーさんだった。自らもアメリカ先住民ショショーン族の血を引くタブーさんは、かねてからマニトパイスさんの音楽活動に注目していたという。そしてマニトパイスさんが2016 年に、このパイプライン(ダコタ・アクセス・パイプライン)の反対運動イベントに参加したことをきっかけに、タブーさんがこのビデオクリップの話を持ち掛けた。

 まさかヒップポップの大御所から声がかかるとは思っていなかっマニトパイスさん、最初は本物のタブーからの誘いかどうか疑っていたと、授賞式会場のあるアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに向かう途中での取材に答えていた。

 また授賞式に赴くことで、世界中の先住民が直面している問題について、より多くの人に関心を持ってもらえることを期待するとも話していた。

 マニトパイスさん、タブーさんらビデオクリップに参加した先住民アーティストは7人で、マグ7(Mag7)というユニット名を付けた。カナダの先住民はマニトパイスさんだけだが、他にはマーカス・グインさん(エムシーワンEmceeOne)、スパマンさん、ドク・バティエストさん、PJ ベガスさん、ナターリアさん(マイ・バースMyVerse)が参加している。

 ちなみに彼らが受賞した部門は、今年新たに設けられた『制度と最も戦った賞(Best Fight Against the System)』だった。

 

 

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