2017年8月24日 第34号
アルバータ州の、カルガリーとエドモントンのほぼ中間にある人口千人弱の町バショーに住む男性が、アメリカで暮らす闘病中の母親のもとを訪れるためのビザを米国に申請したが、拒否された。
アラン・アリヤノさんは、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで育ったが、自分がメキシコ生まれだったということは、18歳になるまで知らなかったという。大学進学を目指したものの、『不法移民』ということで願書は却下されてしまった。さらに国外退去を命じられ、2006年に一時労働者としてアルバータ州に渡ってきたアリヤノさん。コーヒーショップのティムホートンズで働き始め、マネージャーまでになった。その後カナダ永住権を獲得、バショーにあるロッジのマネジメントを行うようになった。
そんな中、アメリカに残った母親が脳腫瘍を患っていることが分かったアリヤノさん。必要な書類と2千ドルを払い、人道的措置によるアメリカ入国ビザを申請したものの、拒否されてしまった。アリヤノさんは控訴することができるし、彼の弁護士も拒否される理由はないとしている。
だが、たとえアリヤノさんの主張が認められたとしても、それが手遅れにならないかとアリヤノさんは気が気でない。今のところは電話越しに母親を励ますアリヤノさんだが、実際に抱きしめることができない歯がゆさを訴えている。