2017年8月10日 第32号

 カナダ政府高官が北朝鮮に入国していたことが8日分かった。平壌入りしたのはジャスティン・トルドー首相の国家安全保障担当補佐官ダニエル・ジーン氏ら。2015年12月に終身刑の判決を受けたカナダ人牧師ヒョンス・リム氏(62)のカナダへの引き渡し交渉に向かったとされている。

 リム牧師は、キム総書記の尊厳を傷つけ、宗教を利用して北朝鮮政権を倒そうとした罪で逮捕され、厳しい肉体労働を課す終身刑が言い渡された。カナダではオンタリオ州トロント近郊の教会に勤め、牧師の家族によるとリム牧師はこれまで100回以上北朝鮮に行き、孤児院や養護施設設置などの人道的事業に携わってきたという。

 終身刑が言い渡され、すでに1年半が経っているが、最近になって健康状態が思わしくないと友人に手紙で知らせたという。牧師の家族は、今年6月に北朝鮮で拘束されていたアメリカ人オットー・ワームビアさんがアメリカに帰国して数日後に病院で死亡したことから、トルドー首相に救出を訴えていたと関係者は語っている。

 首相広報官キャメロン・アーマド氏は「牧師の健康状態が政府としての最優先事項であり、今後もこの問題について尽力する。進行中の事案のため、現時点ではこれ以上のコメントは控える」と声明を発表した。

 しかしCBCニュースは、牧師の状態確認が最優先としながらも、「(北朝鮮)周辺地域について議論するのは自由」と政府関係者が語ったと伝えている。

 最近、北朝鮮をめぐる動きが激しくなっている。この時期にカナダ高官が北朝鮮入りすることについて、カナダが緊迫する北朝鮮問題について何か役割を担うのではないかとの憶測も飛んでいる。

 この翌日、北朝鮮中央通信はリム牧師を釈放したと発表した。健康状態を考慮しての人道的観点からの釈放と伝えている。

 

 

 

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