2017年7月13日 第28号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで3日、炎天下の車に子供を置き去りにすることの危険性を分かろうとしない母親に、駆けつけた警察官が説教している動画がインターネット上に投稿された。

 動画には、白い高級SUVの前に立ち腕組みをしている母親に対し、炎天下で子供を車の中に置き去りにするのがどれほど危険か分かっていないと、業を煮やした警察官が説教している様子が映されている。

 この母親はスーパーで買い物をする間の約20分間、6歳の娘と3歳半になる息子を、窓の締め切った車の中に閉じ込めたままにしていた。この様子を目撃した人たちからの通報が何件も警察に寄せられ、警察官らが現場に急行した。

 自らも子供を持つこの警察官は、自分の非を認めようとしない態度を取る母親に対し、この事態に消防車と救急車1台ずつとパトカー2台が出動したと、ことの重大さを指摘するとともに、子供を当局の保護下に置く必要があると警告。最後にはそれでも母親かと言い放ち、怒りのたけをぶつけている。

 バンクーバー市警察は7日、この母親に対する告発は行わない予定だが、児童保護の問題を扱う子供省に連絡を取ったと発表した。

 アルバータ州エドモントンでも6日夜、車の中に置き去りにされた生後8カ月の女児が警察官らによって救出され、健康状態を確認するために病院に搬送される事件が発生している。22歳になる母親は、友達とコーヒーショップで話し込んでいるうちに子供のことを忘れてしまったと話しており、当局の介入を招いた過失の罪で逮捕された。

 カナダ安全評議会によると、エアコンが効いていた車であっても、エンジンを切って炎天下に駐車した場合、20分後には車内の温度が50度に達するという。これは熱射病にかかる温度を超えている。アメリカの統計によると、米国内では1年間で平均37人の子供が、炎天下の車内で命を失っているという。

 また同市警察は先週、同市クィーン・エリザベス公園に駐車中の車から、置き去りにされた犬を救出するため窓を割らなければならなかった事例を引き合いに出し、ペットのオーナーにも同様の注意を呼びかけている。

 

 

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