2017年7月6日 第27号
建国150周年を迎えたカナダデーの7月1日、首都オタワで盛大な式典が開催された。
記念式典で国民に向けメッセージを送ったジャスティン・トルドー首相は、世界中から人々が集まりカナダが一つの国として成功していることを強調するために、13州・準州の名前をひとつひとつ読み上げた。しかし、アルバータ州だけを読み飛ばした。トルドー首相は、式典の最中に再びステージに上がった時に、「今、少し恥ずかしい思いで、ここに上がっている。ロッキー辺りでちょっと興奮してしまった」と語った。式典が終わった後のツイートでも謝罪。ほとんどの国民は、「単なるミス」と、大げさに騒ぎ立てることはなかったが、アルバータ州では一部の州民や政治家が激しく非難した。
建国記念日の祝賀式典で、故意に一つの州を読み飛ばすということはあり得ないが、それがアルバータ州だったことは皮肉といえる。アルバータ州は野党第一党保守党が基盤とする州で、自由党は2015年10月にその保守党から政権を奪取した。アルバータ州から見れば、政権を奪取された党の首相から読み飛ばされ気分を害したということだろう。
これについてアルバータ州カルガリー市ナヒード・ネンシ市長は、「単純なミス。私もスピーチで間違えることはよくある」と語り、アルバータ州にはもっと大事な事案が多くあり、そんな悪意のないミスを取り上げている暇はないとトルドー首相のミスを問題視する気はないと語った。