2017年7月6日 第27号

 ブリティッシュ・コロンビア州で16年ぶりの政権交代が実現した。注目された6月29日。自由党少数派政権の不信任が議会で可決され、2001年から続いた自由党政権が幕を閉じた。

 5月9日のBC州議会議員選挙のために解散した議会が6月22日に再開。23日にはジュディス・ギチョン副総督が議会開会の式辞で、1953年以来の少数派政権となった自由党政権の政策を読み上げた。開会の式辞で読み上げられた政策内容は、選挙戦中には自由党が反対を表明していた新民主党(NDP)やグリーン党の内容が盛り込まれ、話題となった。

 26日NDPジョン・ホーガン党首は「自由党は党の方向性を見失った」と語り、自由党政権への不信任をグリーン党とともに実行することを改めて強調。同日、不信任決議案を提出し、29日に決議となった。

 結果は予想通り、自由党42、NDP・グリーン党44で、不信任が決定。同日、クリスティ・クラーク州首相は、不信任の結果を副総督に報告。州首相を辞任の意向を伝えた。その後、副総督に呼ばれたNDPホーガン党首が政権を担う意思を伝え、副総督からの要請を受ける形でNDP政権が誕生した。

 ホーガン次期州首相は副総督との話し合い後に記者会見を行い、「副総督から政権を担当するよう要請があった」と満面の笑みで語った。「すごくエキサイトしている。選挙から7週間経って、ようやく州民のために働ける政府を作ることができる」と語り、16年間の自由党政権下で山積みとなった問題を一つ一つ解決していくと表情を引き締めた。

 今後は組閣に取り掛かる。州首相および新閣僚の就任式は7月下旬の予定で、それまでに組閣を終わらせる。その後は、開会の式辞草案や予算案、公約で掲げた政策実現に向けての議案作りなど議会再開に向けた準備や、ジャスティン・トルドー首相とのオタワでの面会、ワシントン州訪問などの予定が詰まっている。最優先課題は、アメリカとの製材木材交渉や薬物問題とし、公立教育制度改革にも早急に取り掛かりたいと語った。

 

 

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