2017年6月15日 第24号

 アメリカ前大統領バラク・オバマ氏が6日、ケベック州モントリオールで講演した。約6千人が詰めかけた会場には、連邦政府閣僚をはじめ、ケベック州の州首相やモントリオール市長も出席。相変わらずの人気ぶりをみせた。主催はモントリオール商工会議所。

 講演の中ではアメリカの現状を、世界が転換期を迎えている現在のような歴史的に重大な局面では、前に進まず後ろ向きになろうという誘惑が起こることがあると語り、不安定な世界で人々が安定を求める時代に独立主義や大衆主義が魅力的に見えることは理解ができると語った。しかし「我々は立ち止まっていてはいけない」と、人々が行動を起こすことが必要とも語った。

 気候変動対策ではアメリカのリーダーシップが一時的に停止したと語り、パリ協定から脱退したことに失望したと語った。

 オバマ前大統領は現在、世界各国で講演している。これまでにドイツのメルケル首相を交えて講演が注目されたが、イタリアやイギリスでも行っている。1月に政権交代した後、カナダを訪れるのは、これが初めて。

 この日は講演後、モントリオール市内のレストランで、ジャスティン・トルドー首相と2人きりで食事。その様子を、トルドー首相とオバマ前大統領のオバマ・ファンデーションがそれぞれ写真をツイッターに投稿し、相変わらずの仲良しぶりが話題となった。

 

 

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