2017年6月8日 第23号

 ジャスティン・トルドー首相は5月26、27日にG7(主要7カ国首脳会議)が開催されたイタリアのタオルミーナから移動、5月29日にはバチカンシティを訪問、ローマ法王と面会した。その時、ローマ法王にカナダのレジデンシャルスクールでのカトリック教の役割について謝罪してほしいと伝えたと語った。

 カナダのレジデンシャルスクールは、100年以上も続いた、先住民族へのカナダ政府の対策。対象は子供たちで、親から引き離し寄宿生活を強いた。これにより、先住民族は、その独自の文化や言語を喪失したとされ、今でもその時の経験がトラウマになっているという先住民族の人々も多い。カナダ政府は保守党政権時代の2008年に、スティーブン・ハーパー首相が政府として公式に謝罪。自由党に政権が交代した今でも先住民族との話し合いは続けられている。

 レジデンシャルスクールの多くはカトリック教会が管理していた。子供たちは親から引き離され、自身の言語を使うことは一切禁止された寄宿生活を強制されただけではなく、暴行や性的暴行などの行為も日常的に行われていたことが明らかになっている。

 トルドー首相は、ローマ法王をカナダへ招待したことを明かし、訪問について期待していると語った。

 

 

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