2017年5月11日 第19号
マニトバ州ウィニペグのガーデンシティ・カレッジの学生が製作した気球が5日、ほぼ宇宙とも呼べる成層圏上部に達した。
これは、世界各地で同時に高高度気球を打ち上げる「世界スペース・バルーン大会」に参加した同カレッジが打ち上げたもの。こうした気球の製作に必要な材料は、高品質の気球本体やヘリウム、ロープのほかは、台所やホームセンターで入手できると、指導にあたった同カレッジの教員ゲーブ・クラリービスさんは取材に説明している。
気球にはサラダボウル2個を張り合わせた「宇宙船」が吊り下げられ、中には少量のDNAとオゾンや紫外線の計測機器が設置された。オゾンや紫外線が、DNAにどのような影響を与えるのかを研究するためだ。また飛行の様子を記録するカメラや、落下した「宇宙船」を回収するための追跡装置も備えている。
この気球は、上空30キロメートルまで上昇した。これはジェット旅客機が通常飛行する高度の約3倍に値する。一方、公的に宇宙と呼べるのは100キロメートルからだが、気球に設置されたカメラの動画を見ると、上空ではすでに漆黒の闇に太陽が輝いており、いかにも宇宙然としていた。