2017年4月20日 第16号

 カナダ銀行は12日、金利を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。3カ月ごとに発表される金融政策報告書では、今年の経済予測を上方修正。国内総生産(GDP)を前回1月の2・1パーセントから2・6パーセントに修正した。

 スティーブン・ポロズ総裁は、カナダ経済は順調だが今回金利を引き上げるほどではないと記者会見で理由を述べた。しかし、金利引き下げの可能性も示唆していた前回1月よりも明らかに経済が上向いていることを暗に示した。

 これは金利引き上げの次期が前回で示唆していたよりも早まる可能性があることを意味する。現在のところ今年中の引き上げは予測されていないが、早ければ2018年初めにも可能性があると専門家は見ている。

 ただポロズ総裁は、カナダ経済が持続的に堅調とは言い切れないとも語っている。2018年の成長率は1月の2・1パーセントから1・9パーセントに下方修正、2019年は1・8パーセントにとどまるとみている。

 現在、経済をけん引しているのは連邦政府の子供手当支給による個人消費の伸びと天然資源産業の一時的な投資の回復などの一過性の理由によるものと、予想外の住宅投資の急伸によるものと分析している。

 こうした現象は長くは続かないと中央銀行はみている。さらにトロントの不動産価格の急騰や米ドナルド・トランプ大統領の経済政策が、カナダ経済に悪影響を及ぼす可能性も否定できないとしている。

 トランプ大統領は18日には、北米自由貿易協定(NAFTA)の大幅変更の可能性を語った。

 

 

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