2017年4月6日 第14号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の町タッペンで、5エーカーの土地が売りに出された。

 土地にはリノベーション済み一軒家のほか、900平方フィートの自動車修理施設、1200平方フィートの鉄骨製倉庫が含まれている。そして、何よりも、この物件が注目を浴びている理由は、この土地で保管されている340台以上のビンテージカーが含まれていること。

 所有者のマイケル・ホールさんは、がけなどで崩落の危険のある、もろくなった岩を除去する、いわゆるロック・スケーラー職人で、ビジネス・オーナーでもある。

 そんな彼がビンテージカーの収集を始めたのは、およそ40年前のこと。当時はBC州内陸部の中核都市カムループスに住んでいたが、そのコレクション数が尋常でなくなり始めると、市当局からさまざまな指導が入るようになった。

 それを嫌い夫婦でタッペンに引っ越したホールさん。土地には中古車回収業の利用許可もちゃんと取得している。さらに友人からレッカー車を購入したホールさんは、さらに収集を加速、この3〜4年の間に新たに150〜200台を買いあさったという。その中には、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名になったデロリアンや、1941年型ドッジ・ビジネス・クーペ、1968年型シボレー・シェベルSS396などがある。(ちなみに、このシェベルは手放さないという)。

 いずれにせよ、ホールさんほどカーマニアではない奥さんは、ついに「もうたくさん」と引導を渡した。しかしホールさんにとって、この土地と車を売りに出すことは容易な決断ではなかった。これらがなくなれば、自分の人生に大きな穴があくことになると、ホールさん。それでも、この趣味が常軌を逸したものだということは認識しているし、家族のために必要な選択だと語っている。

 ホールさんの土地の売買を担当している不動産業者には、1日に15件以上の問い合わせが来ているという。

 

 

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