2017年4月6日 第14号

 ドン・メレディス上院議員は4月4日に開かれた上院倫理委員会に出席した。3時間にわたって行われたとされる委員会で、自身の行動に対する説明をしたとみられる。

 メレディス議員は、以前に16歳女性と性的関係を持ったことが、先月の倫理委員会の報告で明らかになった。ペンテコステ派牧師でもある同議員(52)は、この女性との関係は認めたものの、関係は女性が18歳になって以降と説明している。報告書では、18歳未満の時に1回、18歳以降も2回、さらにオンラインチャットで過激なやりとりをしていると報告されている。

 こうした行為が、上院議員として倫理的に違反しているかが問われている。この女性と関係を持った時、メレディス議員はすでに上院議員として活動していた。

 この件では上院は意見が分かれている。擁護派はプライベートで起こったことのため、上院の活動には直接関係ないとする。一方で、こうした行為は上院自体に悪影響を及ぼすとして、同議員を免職処分にすべきという意見もある。後者の方が多数とみられている。

 今回の倫理委員会レイネル・アンドレイチャック委員長は「あらゆる可能性を考慮している」と懲戒免職処分も否定しなかった。これまでに上院倫理委員会が免職処分を下したことはない。

 上院については、これまでにも2013年に起こった一連の経費不正受給問題など、倫理的な問題が発生している。下院では、上院廃止、選挙制への移行など、上院改革が度々議論されるが、これまでに本格的な議論には至っていない。

 カナダ上院は首相による任命制で、選挙により選ばれた下院とは制度が異なる。ジャスティン・トルドー首相は、自由党が野党時代に自由党系上院議員を自由党とは引き離すと発表した。通常、自由党政権首相が任命した上院は自由党系、保守党政権が任命すれば保守系上院議員として活動する。新民主党(NDP)はこれまで1度も政権を取ったことがないため、NDP系上院議員はいない。しかし、現在は元自由党系やトルドー首相が任命した議員は、無所属として活動している。

 

 

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