2017年2月23日 第8号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島のナナイモに住むリード・ボットライトさんには、6歳になる自閉症の息子エバレット君がいる。

 多くの食べ物の味やにおい、歯ごたえが合わないといった自閉症に特有の症状を持つエバレット君は、限られた食材しか食べることができず、この3年間は次第に食べる量が減り続けていた。

 そんな中、箱入りマカロニチーズ、クラフト・ディナーの特別バージョン、スター・ウォーズ・クラフト・ディナーならば喜んで食べられることがわかり、両親もほっと胸をなでおろしていたところだった。

 しかし皮肉なことに、最近この商品が品薄になり、ボットライトさん夫婦はこれらを手に入れられなくなった。

 そこでボットライトさんはインターネット上のフェイスブックとインスタグラムで、このクラフト・ディナーが入手可能な場所の情報や、手元に余りがあれば譲ってもらえないかとのメッセージを書き込んだ。

 このメッセージは急速に拡散、ついにはスタートレックでカーク船長を演じたカナダ人俳優、ウィリアム・シャトナーさんまでもが、このストーリーをシェアするに至った。その結果、エバレット君のもとにはカナダ国内外から、この特別バージョンのクラフト・ディナーが届けられるようになった。

 18日にはなんと、大手のスーパーマーケット、リアル・カナディアン・スーパーストアから411箱が到着。それも家族が収納しやすいように、数十個ごとにプラスチックケースに小分けされていた。ナナイモの同店長グレッグ・ウェルガンさんは、自店で調達できなかったため、ローワーメインランドのチェーン店に応援を頼んだと取材に語っていた。

 そのほかにも各地からクラフト・ディナーが送られ、この週までに500箱以上をボットライト家は受け取ったという。

 またアメリカのクラフト・ディナー社も15日、自社の倉庫の片隅に144箱が残っていたのを見つけ、すぐさま発送したと連絡してきた。

 様々な人からの好意に、ボットライトさん夫妻は感謝してもしきれないと話している。

 

 

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