2017年2月23日 第8号

 欧州議会での演説後、ジャスティン・トルドー首相は16日にドイツ入り。アンゲラ・メルケル首相と会談した。翌日には記者会見に臨み、北大西洋条約機構(NATO)での役割について記者の質問に答えた。

 米ジェームズ・マティス国防長官が欧州を訪問した時、トランプ政権がNATOを重要視していることに変わりはないが、加盟国には規則通り費用を負担するよう求めた。NATO各国の軍事費用負担はGDP(国内総生産)の2パーセントとなっている。ドイツは現在1・2パーセント、カナダは0・99パーセントしか負担していない。

 これについてトルドー首相は、カナダはNATOではカナダ兵を重要任務に送り、同盟国の負担を軽くする役割を果たしてきた。カナダとドイツはNATOの中では常に重要な役割を果たしてきた、と費用負担以上の役割を果たしていることを強調した。

 カナダの国会ではNATOへの負担増についてほとんど議論されていない。一方、ドイツは負担増を実行する予定があることを示唆した。

 トルドー首相とメルケル首相が初めて会談したのは2015年11月トルコでのG20(20カ国・地域首脳会談)。この時がトルドー首相初めての国際舞台デビューでもあった。それから1年3カ月。ヨーロッパでは右翼政党の台頭、イギリスの欧州連合離脱、アメリカでのトランプ政権誕生と世界は大きく変化している。緊縮財政のドイツと経済政策では違いがあるものの、自由貿易や移民問題など共通する政策も多い。今後のG7(先進7カ国首脳会議)やG20では、この2国がカギとなるとみられている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。