2017年2月9日 第6号
ケベック州モントリオール市のカメラマンが、同市のゲイ・カップルの結婚式は信仰上の理由から受け入れられないとして、撮影を拒否した。
断られたのは、今年11月に結婚式を予定しているマイク・セラントラさんとビクターさんのカップル。
撮影を依頼されたのは、結婚式の撮影を専門とするフォトスタジオ、プレミア・プロダクションズに所属するカメラマン。その打ち合わせのために出向いたセラントラさんに対して、カメラマンが花嫁についてたずねたため、セラントラさんは率直に花嫁はおらず、男二人の結婚式だと告げた。
その後カメラマンから電子メールで、残念ながらこの件は引き受けることができないと告げられたセラントラさんは、ショックを隠しきれない。モントリオールの人権問題を扱う非営利団体センター・フォー・リサーチ=アクション・オン・レース・リレーションシップのエグゼクティブ・ディレクター、フォ・ニエミさんは、カメラマンの行動はショックなだけではなく、違法だと指摘する。
人権と自由に関するケベック州憲章により、特に一般市民にサービスを提供するビジネスでは、性的指向性を理由に差別することは許されないと、ニエミさんは取材に説明している。
メディアがフォトスタジオに取材を試みたが、応答はなかったという。
セラントラさんとカメラマンがやりとりした電子メールを、セラントラさんの同僚がフェイスブック上に掲載したところ、30人ほどのカメラマンから結婚式の撮影を引き受ける申し出があった。この反応に喜ぶセラントラさんだが、同時にプレミア・プロダクションズにも差別を容認するような社内規定を改めるよう、願っている。
一方ニエミさんは、『信仰上の理由』がゲイ反対の言い訳に利用されることを阻止するためにも、法的行動を起こすべきだと話している。