2017年1月12日 第2号

 トロント不動産協会は5日、昨年12月のグレータートロント地域の住宅販売数が前年同月比で8・6パーセント増加したと発表した。2016年全体では前年比で11・8パーセント増加している。また同地域の昨年12月の平均住宅価格は730・472ドルで前年同月比20パーセント上昇。2016年を通しての平均価格は729・922ドルで前年比17・3パーセント上昇となっている。

 同協会代表ラリー・セルカ氏は、同地域の経済が好調なこと、失業率が低いこと、人口が増え続けていること、住宅ローン金利が低いなどのさまざまな要因がこの地域での住宅需要を押し上げていると説明している。

 また今回初めて調査会社イプソスに、同地域での海外住宅購入者数の調査を依頼。10月6日から10月21日までに約3500人の不動産売買仲買人にオンラインで行った調査回答を基にした結果は、4・9パーセントだったと発表した。トロント市では5パーセントだった。必ずしも海外購入者が価格を引き上げているとの認識は正しくないとの見方もある。

 その他の要因の一つに供給数が少ないことを指摘する声もある。2016年の購入可能住宅数は前年比で4パーセント減少。政府の住宅購入に関する規則変更は、高い需要を抑えることに焦点を当てているが、供給を増やす方策が必要なのではとの声も上がっている。

 一方、グレーターバンクーバー不動産協会は4日、昨年12月のグレーターバンクーバーの住宅販売数は前年同月比で39・4パーセント減少したと発表した。しかし価格はベンチマークで897・600ドルと前年同月比で17・8パーセント上昇している。

 グレーターバンクーバー不動産協会代表ダン・モリソン氏は、販売数は昨年3月のピーク時から徐々に落ち着いてきているが、価格は6カ月前よりは2から3パーセントは下がっているものの、前年比では販売数ほどの劇的な下落率にはなっていないと説明した。

 グレーターバンクーバーの不動産には、昨年8月からブリティッシュ・コロンビア州政府が15パーセントの海外購入者税を導入。その影響については、数カ月が経ってもまだ様子見といった感じが強いと説明している。今春くらいには人々の傾向が見えてくるのではないかと分析している。

 

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