2016年12月1日 第49号

 首相事務所は11月28日、ジャスティン・トルドー首相がキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の葬儀には参列しないことを発表した。

 11月25日に死去したカストロ前議長に対し、トルドー首相は26日、「優れたリーダー」だったと表現し、「キューバ最長の議長」と死を悼む表現を使った。

 しかしカナダ国内では、キューバ国民を長年苦しめた独裁者に対して、この表現は不適切との批判が噴出。フランス語圏会議に出席のためアフリカのマダガスカルを訪問中だったトルドー首相は27日の記者会見で、カストロ前議長が独裁者だと思うかと聞かれ「思う」と答え、前日のコメントについては「彼の死に際し、カナダ国民とキューバ国民の深いつながりを伝えたつもりだった」と答えた。

 カナダとキューバの関係は、ピエール・トルドー元首相時代に、G7(主要先進7カ国)やNATO(北大西洋条約機構)諸国の首脳としては初めてトルドー元首相が1976年にキューバを訪問しカストロ前議長と会談。2000年トルドー元首相が死去した時にはカストロ前議長はモントリオールでの葬儀に参列した。

 トルドー首相は会見で「父は(前議長を)友人と呼んでいたことを誇りに思っていたと思う」とも語った。

 首相事務所は葬儀欠席の理由を、スケジュールの調整が難しいためと説明した。

 

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