2016年11月3日 第45号

 ジャスティン・トルドー首相は10月27日、上院議員に女性5人、男性4人を任命した。105議席ある上院議員席はトルドー首相が今春に7人を任命して以降も21議席が空席だった。

 今回選ばれたのは、さまざまな経歴の持ち主で、歴史学者から人権保護弁護士、自然保護活動家まで多種多様。自由党政権下での任命では初となる応募から選ばれた。

 トルドー首相は2014年、野党自由党党首時代に、自由党系上院議員を党から切り離し無所属とすると発表。それ以降は無所属議員として活動する議員と、前自由党系無所属議員を名乗る議員とに分かれた。そのきっかけとなったのが2013年に発覚した上院議員による経費不正受給問題。その中で当時の保守党政権が保守系上院議員をコントロールしているとの批判を受け、自由党は党員を切り離す手段を取った。

 カナダの上院議員は首相が任命する。自由党の首相に任命された上院議員は自由党系、保守党なら保守党系として活動し、国会での法案成立で議席数は大きな役割を果たす。

 そうした中で自由党が上院議員を党から切り離したため、現在は保守党系と前自由党系無所属、無所属で構成されている。新民主党(NDP)はこれまで政権を取ったことがないため、NDP系上院議員はいない。

 自由党は選挙前から上院の改革を公約として掲げ、その一環として今年に入り議員を一般から公募すると発表した。今回は初めて、その一般公募約2700人から諮問委員会の推薦を経て選ばれた9人が任命された。ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、東海岸州を代表する。そして10月31日にはオンタリオ州から6人が選ばれた。

 今回選ばれた議員全員は無所属となる。これで無所属38、保守党系40、前自由党系無所属21。数日のうちには残りケベック州からの6人が発表される。

 

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