2016年10月20日 第43号

 民間の調査機関が近頃発表した調査結果で、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアが、女性が住みやすい都市第一位になった。

 この調査を行ったのは、1980に設立され、政治的中立を保ちながら政治経済や環境問題に関して独自の調査を行う機関、ザ・カナディアン・センター・フォー・ポリシー・オルタネイティブス。

 調査ではカナダ国内の25の都市を、経済の安定性、女性のリーダーシップ、ヘルスケアへのアクセス、暴力に対する対策、および教育の5項目について評価、順位をつけた。ちなみにバンクーバーは9位だった。

 カナダ全体としては、女性へのセクシャル・ハラスメントへの対応が不十分であることがわかった。また女性が家庭や公共の場でリーダーシップをとる立場になることへの理解が低いことも示された。

 その一方で教育については、女性が男性より高い水準であることがわかったが、そのことが女性のリーダーシップ的役割につながっていない状況を示す結果となった。

 同センターで主任エコノミストを務めるイグリカ・イワノワさんは、女性はその教育レベルに見合った経営や政治面への進出が阻まれているだけでなく、特に昨年は社会的進出を果たした女性からの、セクシャル・ハラスメント被害の報告が急増したと、取材に説明している。

 そんな中、同州ビクトリアでは選出された市議会議員の44パーセントが女性で占められているほか、男女間の賃金格差が全国で最も小さかった。これは、州都であるビクトリアでは政府関係の仕事が多いためだろうと、イワノワさんは話している。同センターの以前の調査では、労働組合が結成されている公務員の男女間賃金格差は、民間のそれよりも小さいことが示されていたという。

 なお、調査結果のランキングは以下のとおり。

1位:ビクトリア
2位:キングストン
3位:ロンドン
4位:ケベック・シティ
5位:ガテノー
6位:モントリオール
7位:シェアブルック
8位:セント・ジョンズ
9位:バンクーバー
10位:ハリファックス
11位:トロント
12位:キチナー=ケンブリッジ=ウォータールー
13位:ハミルトン
14位:オタワ
15位:アボッツフォード=ミッション
16位:バリー
17位:ケローナ
18位:レジャイナ
19位:セント・キャサリンズ=ナイアガラ
20位:ウィニペグ
21位:サスカトゥーン
22位:エドモントン
23位:カルガリー
24位:オシャワ
25位:ウィンザー

 

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