2016年9月29日 第40号

 動物実験禁止など環境問題などに積極的に取り組むことで知られているイギリスの化粧品メーカー、ザ・ボディ・ショップ。オンタリオ州トロントにあるその販売店の求人募集に応じた女性が、その面接が企業イメージとはかけ離れていたため、断ったとメディアに語っている。

 面接を辞退したのは、ノバスコシア州出身のブレンナ・マクフィーさん(23歳)。博士号の勉強のために現在はトロントに住んでいる。アルバイトのために、同社のウェブサイトからカスタマー・コンサルタントの職に応募したマクフィーさん。書類選考をパスしたとの電話連絡を受けた後に受け取った、面接の詳細を説明した電子メールを読んで彼女は驚いた。

 そこには面接時の服装が指定されていたが、それによると全身黒のビジネス・スーツを着用し、顔は全面化粧することとあった。さらに、これが採用された際の職場でのドレスコードでもあると書かれていた。

 従業員の選考は、その人物の経験と資格によって行われるもので、外見ではないと思っていたと取材に語るマクフィーさん。

 ウェブサイト上では、美しさとは顔のかわいさとか外面的なものではなく、内面からにじみ出るものと謳っておきながら、従業員にはばっちり化粧することを義務付けているのは問題で、偽善的ですらあると憤慨している。

 彼女は面接辞退の理由を述べて電子メールを返信したが、会社側からは何の応答もなかったという。メディアがこの件について問い合わせたところ、現在調査中との回答があり、その翌日にはツイッターで次のようなコメントを発表した。「マクフィーさんの件については遺憾に思っております。カスタマー・コンサルタントは、弊社商品をお客様に伝える重要な職種であり、十分な商品知識と情熱を持って顧客に語りかけることができるだけの、弊社商品への愛着が必要となります」

 

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