2016年9月22日 第39号
永遠の愛の象徴として、南京錠を公共の場の構造物にかけたあと、鍵を捨てて再び開かなくする「愛の南京錠(love locks)」。
今や世界各地で見られる儀式で、有名スポットのフェンスや橋などには、その構造物自体が耐えられない重量になるほどの南京錠がかけられて問題になるケースもある。
そんな中、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのクィーンエリザベス公園に、このためのモニュメントが完成した。場所は同公園の頂上にあるブローデル植物園のそばで、「雨の中の愛(Love in the Rain)」と名づけられた鉄製モニュメントは、4組のカップルがそれぞれ、ひとつの傘の下で寄り添っている。胴体から下はワイヤーが複雑に絡み合わせて形作られており、ここに「愛の南京錠」をかけられる仕組み。
4組のカップルはそれぞれ特徴があり、製作者の地元アーティスト、ブルース・ボイスさんは「様々な形の愛を表現している」と取材に応えている。また、1本の傘をカップルが共有するのは、日本の文化では愛の象徴とされていることから、このデザインを選んだと説明している。
さらにボイスさんは、ひとつのモニュメントで数千個の南京錠がかけられるこの作品は、南京錠が全体につけられて初めて完成するとも語っている。
ちなみに、このモニュメントに最初に南京錠をかけたのは、アービンダー・ギルさんとスクディープ・アッパールさんのカップル。ギルさんが、このモニュメントの前でアッパールさんにプロポーズしたのち、南京錠をかけて、その鍵をそばにある専用収容箱に入れ永遠の愛を誓い合った。
なお、ここに入れられた鍵は、バンクーバー公園管理局が定期的に回収、溶かしてリサイクルする。