自動車のテールランプ不備が原因で、ドライバーを射殺する警察官がいる国もある一方、アルバータ州エドモントンのドライバーが、それとは真逆の警察官の対応をインターネット上に公開、多くの反響を呼んでいる。

 カート・トーマスさんも、パトカーが自分の車を道端に停車するよう指示した時には、この射殺事件のことが真っ先に脳裏をよぎった。そこで彼は、これから始まる警察官との対応の一部始終を録画しておくことにした。

 パトカーから降り、トーマスさんの車の横に立った警察官は、彼の運転免許証と自動車保険証書を確認。記録中の動画に向かってトーマスさんは「違反切符に記入しているようだ」と状況を説明している。彼はホワイトマッド・ドライブの工事現場の徐行区間でスピード違反を犯していたようだが、多くの一般市民と同じように、警察官とのやりとりが平穏無事に済むことだけを願い、固唾を呑んで警察官の質問を待っていた。

 ところが警察官が聞いてきたのは、「自分の車、気に入っているか」だった。

 まったく予想外の質問にトーマスさんはあっけにとられ、その意味を問いただしたが、警察官は本当に、最近よく見かけるこの車種についての感想を、この機会に聞きたかったのだと説明した。トーマスさんは、正直に車の感想を述べ、そのあと二人は一分ほど車談義を続けた。

 結局、警察官は記入した違反切符をトーマスさんに手渡すかわりに、最近は大きな事故が続いてけが人が増えている、君がそんなふうになってほしくないから、速度を落とすように、と言い残して去って行った。

 この一部始終を収めた録画を、トーマスさんは早速インターネット上で公開。これがプロフェッショナルな警察官のあるべき姿だと賞賛。さらに母親が、人を撃つのではなくホッケーのパックを打つ(どちらも英語ではshoot)国に移住してくれたことに感謝している、この国に住めて幸いだと付け加えている。

 

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