今年の国勢調査の提出締切日が今月10日と思わせる記述が混乱を招いている。これは国勢調査を行っているカナダ統計局が、調査書類に「今月10日までに提出してください」と記述しているのがその理由。カナダ在住者に郵送されてくる国勢調査書はオンラインで提出できるようになっており、10日までに提出しようとした人々からインターネットがつながらないとの苦情が出ている。

 しかし実際には5月10日は締切日ではなく、国勢調査の日。そのため、カナダ統計局はその日に合わせて一定のデータを示したかったので、国民に協力してもらいたかったと説明している。

 今回の国勢調査から住民全員参加の義務化となった。調査内容も、質問事項が多い詳細版と簡略版があり、4人に一人が詳細版を受け取る予定になっている。

 国税調査については、2006年では当時政権をとったばかりの保守党が詳細版を廃止、2011年には詳細版は復活したものの任意提出となった。簡略版の提出は義務化されていたものの、詳細版は住民の3人に一人に送付していたため、住民の3分の1は調査提出が任意となり、提出率は2006年の93・5パーセントから2011年は77パーセントに低下した。

 正確なデータは、カナダの人口統計を把握するというだけでなく、これらの情報は政府の対策、経済活動、さらには地方政府のさまざまな決定に重要な役割を果たす。そのため、保守党政権による国勢調査軽視の対応は、専門家から批判が出ていた。

 そこで、自由党は選挙戦から正確なデータ収集のための国税調査復活を公約として掲げ、選挙に大勝した後、詳細版の復活と提出義務を発表した。

 法令によると、義務化された国勢調査を提出しなかったり、虚偽の情報を提出したりした場合は、罰金500ドル以上、もしくは懲役3カ月以下、あるいは両方の刑罰が与えられる。

 カナダ統計局は、締め切りは特に設けておらず、調査書を受け取った人はできるだけ早く回答を提出してほしいと呼び掛けている。

 

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