ブリティッシュ・コロンビア州マイク・デヨン財務相は10日、不動産売買についての新規則を発表した。これは今年に入って問題となったいわゆる「シャドーフリッピング」といわれる不当転売を防止するための設定。新規則では、不動産業者は売り手の契約書に転売する旨の同意を得ること、転売による利益は元の売り手に渡すことなどが含まれている。5月16日から導入される。

 シャドーフリッピングの実態は、今年初め全国紙グローブ&メールが独自取材の記事を掲載し明らかになった。その後、BC州クリスティ・クラーク州首相は、これに対し州として対策を講じると記者会見で語っていた。

 シャドーフリッピングの仕組みは、不動産業者が1つの物件を売買締切日までに何度も転売を続け、転売の度に価格を吊り上げ、手数料を受け取るというもの。最終的に購入された価格は、元の売り手が手にした売却価格とは大きくかけ離れていることが多い。

 これはメトロバンクーバーの不動産が、その価値以上に高騰している原因の一つとも言われている。4月のメトロバンクーバーの平均住宅価格は一般的な一軒家で140万ドル。昨年同月より30パーセントも上昇していると、グレーターバンクーバー不動産協会が報告している。

 今回の記者会見では、さらに不動産購入者がカナダ市民権、永住権保有者でない場合、国籍についてのデータを収集することも合わせて発表した。データ収集は6月から開始する。

 バンクーバーの不動産価格が高騰している要因として海外投資家による不動産購入が影響しているのではないかとの懸念があることから、BC州政府は購入者の国籍を調査することを約束していた。BC州政府が収集したデータは、国税局と情報共有するとしている。

 

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