オンタリオ州ケリー・リーチ議員が6日、正式に保守党党首選への立候補に名乗りをあげた。この日申請書を提出、承認されると選挙管理委員会へ登録となり、正式に選挙戦に突入する。

 保守党は昨年11月の選挙で自由党大勝の前で大きく議席を減らし、野党第一党へと転落。10年間続いた政権の座から引きずり降ろされた。

 選挙前にはスキャンダル続きだった。2013年に発覚した上院議員の経費不正受給問題に、スティーブン・ハーパー首相(当時)が絡んでいるのではとの疑惑が挙がったり、2008年の総選挙では、いわゆるロボコール問題といわれる選挙に対する不正行為が疑われ、逮捕者もでたりと、保守党に絡む問題が相次いだ。それに加えて環境問題への消極的な取り組み、ハーパー首相の独裁的政治なども批判に挙がっていた。しかし、好調なカナダ経済に支えられ、高い支持率も確保していた。

 しかし、2013年に自由党ジャスティン・トルドー党首が誕生すると、流れは一気に変わった。自由党が常に支持率トップを維持し、結果的に昨年の総選挙で自由党が圧勝。野党に転落した責任を取ってハーパー党首は党首辞任を表明、現在はローナ・アンブローズ暫定党首が党を率いている。

 ハーパー党首が辞任した後、党首選立候補の可能性が高い人物の名前が次々に挙がった。リーチ議員もその一人。保守党政権時代には労働大臣など閣僚を歴任し、党の中でも存在感を見せていた。早い段階で立候補することで、支持と資金を集めるのが狙いとみられている。

 他にも立候補するとみられているのは、ケベック州マキシム・ベニエ前中小企業・観光担当国務相。今週中には立候補を届け出るとみられている。公式には明言していないものの、ジェイソン・ケニー前国防相、トニー・クレメント前予算庁長官、リサ・レイト前運輸相、アンドリュー・シューア議員、マイケル・チョン議員や、昨年の選挙で立候補を見送ったピーター・マッケイ前法務相や、ビジネスマンでテレビパーソナリティーでもおなじみのケビン・オラリー氏の名前も挙がっている。

 保守党は今春にもバンクーバーで党大会を開き、党首選についての詳細を決定する。投票は2017年5月27日。1年以上の長い党首選に突入した。

 

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