ブリティッシュ・コロンビア州サレーの母親が、三女を失ったその日に四女を出産し、複雑な心境を吐露している。
ミーガン・カルボネットさんは3日朝、いつもと同じように夫をスカイトレイン駅に送ったあと、学校へ行く支度をさせるために、3人の娘―シアンちゃん(7歳)、アビガイルちゃん(5歳)、そして14カ月になるサラちゃんの部屋に入って行った。
川の字になって寝ていた3人姉妹の真ん中で、サラちゃんは眠っているように見えたが、どんなに揺すっても彼女は目を覚まさなかった。泣き叫ぶカルボネットさんの声を聞きつけて、同居している義母と義妹が部屋に駆け込み、彼女をサラちゃんから引き離すとともに、義妹が救急隊員の到着まで心臓マッサージを続けた。
病院に搬送されたものの、サラちゃんが息を吹き返すことはなかった。カルボネットさんはのちに、サラちゃんは寝ている間にすでに死亡していたと考えられると告げられた。
幼い我が子の突然の死にショックを受けたカルボネットさん、その日行われた警察の現場検証の最中に、今度は陣痛が彼女を襲った。彼女は妊娠33週目だったが、数日前から陣痛が始まり、それを抑える薬を服用していた。
最初は我が子を失ったことによる苦しみかと思っていたと、カルボネットさんは取材に語っている。しかし警察官にサラちゃんが寝ていたベッドを見せるために子供部屋に入ったところ、激しい陣痛に襲われた。
そして同じ日の午後9時ごろ、四女のジッポラちゃんを予定より6週間早く出産した。ジッポラちゃんは最初の2週間は保育器の中で育てられることになるが、今のところ異常は見つかっていないという。
わずか12時間のうちに我が子の死と誕生を目の当たりにしたカルボネットさんは、サラちゃんのために喪に服すべき自分と、生まれたばかりのジッポラちゃんを愛でたい自分の間を揺れ動いていると語っている。
ジッポラちゃんにとって、これから毎年自分の誕生日と姉の命日を同時に迎えるというのは、彼女にとって残酷だとも話すカルボネットさん。また7歳と5歳の娘らが、いつものように自分たちの横に寝ていたサラちゃんが死んでいたことを、どう受け止めるのかも気にかかると話している。
そうした境遇にありながらも、カルボネットさんは幼児の原因不明死(Sudden Unexplained Death in Childhood(SUDC))について多くの人に知ってもらおうと、自らの体験を話している。1歳未満の乳児が突然死亡する乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome(SIDC))に対し、SUDCは12カ月を過ぎた幼児の死因が、検視を行っても特定できない場合を指す。
カルボネットさんは、1歳を過ぎ歩くこともしゃべることもできるようになった子供がSUDCに襲われるとは夢にも思っていなかったと語っている。SIDCに比べると事例は少ないものの、SUDC基金によるとアメリカでは2014年に、202人の1歳から4歳までの幼児がSUDCで死亡したとみられている。
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