ブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市市長が、カナダに受け入れられて間もないシリア難民が働く床屋で散髪した。
市長のリチャード・スチュワートさんが最初の顧客となったのは、カナダが表明した2万5000人のシリア難民受け入れ政策で、昨年末にバンクーバーに妻と5人の子供とともに到着したモハマンド・クルディさん。
母国シリアで床屋として15年の経験を持つクルディさん。そんな彼とともに新しい美容室『クルディ・ヘア・デザイン』をポート・コキットラム市に開いたティマ・クルディさんは、昨年9月にトルコからギリシャへの渡航に失敗して溺死、トルコの海岸に遺体が流れ着いたアイラン・クルディちゃんのおばに当たる。
浜辺に横たわったクルディちゃんの写真は世界中のメディアに掲載され、シリア難民に対する世界の関心を一気に高めたことは、まだ記憶に新しい。
クルディさんがBC州に到着して間もなく、スチュワート市長が歓迎と支援の気持ちを表すために、クルディさんに散髪をしてもらいたいと提案した。
散髪を終えた市長は、クルディさんの腕前は確かなものだったと、その髪型に満足した様子だった。また、カナダの生活に慣れていないクルディさんが、慣れた手つきと希望に満ちた表情で散髪をしているのが見られてうれしいと取材で話している。さらにクルディさんも、カナダで働けるようになったことについてみなに感謝しているとともに、これからは支援に頼らず、自分で生活できるように早くなりたいと、抱負を市長に語っていた。