12月29日夜、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア沖を震源とするマグニチュード4・7の地震が発生した。
カナダ天然資源省によると、震源地はビクトリアの北北東約19キロメートルで、深さは42キロメートル。この地震による津波の発生はなかったほか、人的被害も報告されなかった。またこの深さから、余震はほとんどないか、あっても軽微だとしている。
震源地近くの住民は、家にトラックが突っ込んできたかと思わせる衝撃を感じたと、メディアのウェブサイトにコメントを書き込んでいた。また別の住人は、台所にいたが地震の揺れで体がキッチンカウンターにぶつかりそうになった、また置いてあった水槽の水が波打ちあふれ出したと、当時の様子を描写していた。
ジョージア海峡をはさんだローワーメインランド側でもかなりの揺れが感じられ、バンクーバー西部の住人もトラックが家にぶつかったのではないかと思ったと書き込み、さらに壁にひびが入ったと付け加えていた。
地震の規模についてカナダ天然資源省は当初、マグニチュード4・3と発表していたが、後に4・7に修正した。また、アメリカ地質調査所(USGS)は4・8と発表している。なお、この地震の数時間前にはアメリカ・カリフォルニア州サンバーナーディーノでマグニチュード4・4の地震が発生している。天然資源省の職員によると、二つの地震は異なった断層で起きており、関連性はないとしている。 また、この地域では大地震の予兆となるような地震発生のパターンが見出せないため、今回の地震から大地震の発生時期を予測することはできないとしながらも、ここが地震活動の活発な場所であることを思い起こさせる地震だったと話している。
一方、昨年夏にBC州北部で起きたマグニチュード4・6の地震は、天然ガス採掘のためのフラッキング(水圧破砕採掘)が原因だったとの調査報告が出されている。
この地震が起きたのは2015年8月17日で、フォート・セント・ジョンの約110キロメートル北東。そこから3キロメートルのところには、採掘会社プログレス・エナジー社のフラッキング現場がある。
この地震を調査していたBC州石油ガス委員会は先月中旬、フラッキングとこの地震が関連性を確認する報告書を提出している。また同様の調査結果はBC州のほか、イギリス、アメリカ・オクラホマ州でも出されているが、この地震はそれらの中でも最大規模とされている。
石油業界では微弱地震を誘発するフラッキングについてのガイドラインがあったが、より大きな地震がフラッキングによるものと結論付けられたことを受け、住民の安全をさらに考慮した上で開発とのバランスをとったものに改められる時期だろうと、カナダ地質調査所の研究員は話していた。