カナダ銀行は2日、金利を現行の0・5パーセントのまま据え置くと発表した。市場は予測済みのため、大きな動きはなかった。

 前日、第3四半期の実質的国内総生産が年換算で2・3パーセントのプラス成長と発表され、第1、第2四半期がマイナス成長だったため、景気後退感がやや緩んだ雰囲気となった。ただ、第3四半期最後の9月は前月比で0・5パーセントのマイナス成長だったため、今後、好調感が続くかは不透明とみられている。

 カナダ銀行は今年に入り、2回、各0・25パーセント金利を引き下げている。原油価格の急落により天然資源産業が主要産業の一つであるカナダ経済に悪影響を与えたことが要因の一つだった。原油価格は現在も低い水準を保っており、今後もカナダ経済に影響を与えるとみられている。

 さらに、これまでも再三警告してきたが、国民の負債額が過去最高となっていることに対し「(負債額が増額し続ける)世帯の不安定さが、引き続きカナダ経済に悪影響を与える可能性をはらんでいる」と懸念する声明を発表している。

 専門家は、カナダ銀行が金利を変更するのは早くとも2017年になるのではないかと予測している。

 

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