2月2日のシャープなオーロラ

チーフガイド 福島 洋輔


マイナス30度を下回ることも多かった1月後半から2月初めは、毎晩のようにきれいなオーロラが夜空を飾り、イエローナイフのオーロラは、絶好調です。中でも、高得点の真上で弾けるオーロラに会えた夜の様子を紹介しましょう。

まずは、1月23日。この夜は、3回もツアー中にブレイクアップし、強いピンク色を放ちながら、うねうねと激しく揺れて天頂まで来る様子は、とても圧 巻。雪面が緑色に染まるほどの明るさで、天頂から東西の地平線まで大きく空を包み込みました。一方、26日も高得点。スピードにやや欠けたもの、一部にピ ンク色を放ちながら、全天を埋め尽くし、長時間楽しませてくれました。

さらに、2月2日の深夜2時前には、シーズン最高クラスの「弾けるオーロラ」が出現。南東から波打つように大きく動きはじめ、西は、渦巻き状に形を変 え、東は、シャープな縦筋をつけて背の高いカーテン状に、さらに天頂は、光の矢が降り注ぐような感じになって、全天がオーロラに包まれました。流れるよう に激しく動き回る姿が印象的でした。

この夜の様子を、カナディアンEX社のチーフオーロラガイドの福島洋輔さんに聞いてみると、「2日の夜は、抜群にシャープなオーロラで、今シーズンいち ばんの美しさだったと思います。南から来たオーロラの帯が一気に北まで弾け、気がつけば全天オーロラに包まれていました。あまりのすごさに圧倒され、涙が 自然に出てきたという人も。真上で弾けるオーロラは、何度見ても大きな感動があります…」。

ところで、簡単に説明すると、オーロラは、太陽から飛んできた荷電粒子が、地球上のある大気に衝突して光る自然現象。この荷電粒子が地球の大気中の何の 物質に衝突するかによって色の違いが出てきます。いちばん多いのは、酸素原子とぶつかって起こる緑色。次が窒素原子にぶつかると起こる、ピンク色。ただ し、色の見え方には、個人差があり、特に赤っぽい色は、カメラで写さないとわからない赤色を認識できる人もいます。

さて、平年並の気温になり、天候が安定してきたイエローナイフ。2月のオーロラは、大いに期待できそうです。

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