RRSPの購入は3月2日が締め切りです

 

この頃よく「銀行等の金融機関にてRRSPしてますか?RRSPしたら税金対策にいいですよ」と聞きます。 ところでこのRRSPとは何でしょうか?RRSPはした方が良いのでしょうか? 今回はRRSPについて、公認会計士の藤井さんに聞いてみました。

 

  

RRSPとは?

 Registered Retirement Savings Plan (退職金貯蓄プラン)であり、個人で貯蓄する年金です。銀行、保険会社、証券会社等の金融機関にRRSPの口座を開いて、RRSPとしての金融商品(例えば、定期預金、株やミューチュアルファンドでいろいろなポートフォリオ運営)を購入して、その口座にリタイヤした後の生活資金を、働いている期間にコツコツと貯蓄していくプランです。

 

RRSPは税金対策になりますか?

 RRSPとは節税を目的とした貯蓄です。口座に預けた金額は税金免除の対象になります。例えば、年収3万6000ドルの人がRRSPとして3000ドル購入したとします。すでに3万6000ドルとして源泉徴収されているところ、タックスリターンでは、3万6000ドルから3000ドルを引いた額3万3000ドルに対しての所得税の計算となりますので、源泉徴収されていた所得税は多く払いすぎたので、その分の所得税が戻ってきます。

 また、通常の投資目的による利息、配当金、キャピタルゲインは課税対象として、タックスリターンに申告しなければなりませんが、このRRSPの口座に預けた資金に対しての利息、配当金、キャピタルゲインなど課税対象にはなりませんので、タックスリターンに申告する必要はございません。つまり、儲かっても税金で取られる心配はないのです。

 

何歳までRRSPを購入することができますか?

 71歳になるまでRRSPを購入することができます。

 

RRSPはいつ課税対象になりますか?

 よくリタイヤするまでは引き出しできないと思っている方もいらっしゃいますが、いつでも引き出すことができます。RRSPの口座から引き出した時、収入とみなされ、課税対象となります。通常の方は、リタイヤして、老後の収入の少ない時に引き出しますので、所得も減り、控除額も上がり、節税効果があるとされています。

 

では、いくらRRSPとして購入することができますか?

 節税目的があるからと言って、RRSP口座にどんどんお金を入れて購入するわけではございません。購入には限度額がございます。その限度額は、去年のタックスリターンをした後、Canada Revenue Agency(カナダ歳入庁)から届きましたNotice of Assessment(査定通知書)に購入できる額が記載されております。

 

購入限度より多くRRSPを購入したらどうなりますか?

 うっかりして、査定通知書に記載されている額よりも多くRRSPを購入した場合であっても、購入限度額プラス2000ドルまでは大丈夫です。2000ドルの枠を超えてしまった場合は、その超えた額に対してペナルティーとして毎月1パーセントが科されます。RRSPを購入する際は限度額に気を付けましょう。

 逆に購入限度額の未使用部分は翌年以降に持ち越すことができます。

 

2014年度のタックスリターンに申告するためのRRSPの購入期限は?

 2015年3月2日までに購入されたRRSPは2014年度のタックスリターンに税金免除として申告することができます。

 

家を購入するときにRRSPから資金を引き出しても課税にならない?

 通常、RRSPの口座から引き出してしまいますと、収入として扱われますが、例外として、初めてカナダで住宅を購入される方は、RRSPの口座からお一人最高2万5000ドルまで引き出しても、その年は収入として扱われません。そして、引き出した全金額をその2年後から15年以内にRRSP口座に返済します。これをHome Buyers' Plan(ホームバイヤーズプラン)と呼びます。

 例えば、2014年、住宅を購入のため、頭金をホームバイヤーズプランとしてRRSPの口座から1万5000ドル引き出しました。引き出した1万5000ドルは2014年度のタックスリターンに申告します。ホームバイヤーズプランですので、収入として扱われません。そして、2016年度から15年かけて最低1年に1000ドルずつRRSPの口座に返済します。仮に2016年度に1000ドルをRRSP口座に返済しなかった場合は、この1000ドルが2016年度の収入として課税対象となります。もし、800ドルのみを返済しましたら、最低返済額1000ドルから800ドルの差額200ドルがその年の収入となります。

 ホームバイヤーズプランを利用することは、非課税で自分への借り入れができ、無利子で15年かけて返済できることが利点です。

 ホームバイヤーズプランの最低条件としては、初めての住宅の購入者、住宅購入契約がされていて1年以内にその住宅に居住する、カナダ歳入庁のForm T1036を記入してRRSPの口座の金融機関に提出など、さらにもっと細かい条件がございますので、ホームバイヤーズプランを利用する前に、RRSPの金融の担当の方に一度確認することをお勧め致します。

 RRSPとは老後のための貯金で節税対策にもなります。カナダにはカナダ国民年金、老年年金等の年金制度もありますが、それだけでは、老後の生活には不安であるという人もいるようです。楽しい老後の生活を送るためにも、生活資金を今からでも少しずつRRSPで蓄えていきたいですね。

 

 

公認会計士(CPA、CGA)藤井ライアンさん

 

 

藤井ライアン(竜治)さん

藤井公認会計士事務所

横浜生まれ。1990年にカナダに移住、2002年カナダ公認会計士(CGA)として登録。2008年英国名誉公認会計士(FCCA)登録。会計事務所にて経験を積んで、2011年に独立。カナダで活躍中の日系企業、これから設立する企業、個人を中心にカナダの会計・税務のサービスを日本語にて提供できるカナダ公認会計事務所です。初回の相談は無料。タックスリターンの手続きを受け付けております。

#2000 - 1066 West Hastings St. Vancouver, BC V6E 3X2

Tel: 604-812-7139

www.fujiicga.com 

 

 

ここに記載されています内容は、2015年2月15日の時点でのCanada Revenue Agencyの情報を基に、皆様への情報提供として一般的な情報を記載するのみです。カナダの税法は予告なく変更する場合がございますので、本記事の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案を基に適切な専門家にご相談下さい。

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