念願の朝型人間へ

子どもを寝かしつけた後の時間こそがご褒美タイムと夜更かしを満喫していた私ですが、夏休みにフルタイムでESLに通い始めた頃から、その傾向が変わってきました。というのも、疲れ果てた私は娘たちを寝かしつけているうちにうたた寝してしまい、12時とか1時といった微妙な時間に目を覚ますために寝つきが悪くなり、朝の起床がつらい、疲労感をひきずるという悪循環に陥り始めたので、ある日えいやと早々にベッドに入ってしまいました。ESLの宿題は手つかずで就寝したため、翌日は早起きせざるを得ません。日の長い季節もまだ仄暗い時間帯にいそいそと起き出し、目をこすりながら宿題を済ませると、おやまだ娘たちが起きるまでに時間があるではありませんか。ならば、あれもこれもと朝時間をエンジョイしているうちに人生初の朝型人間へ切り替わっていったのです。
 朝型生活のメリットはいろいろあって、まず勉強がスイスイとはかどります。夜更かしすると結局、疲れたままにダラダラする時間が増えるばかりで、目覚ましにと何か口にしたくなります。そこで負けてしまうと、胃は重くまぶたのむくんだ翌日が待っています。朝だったら目覚ましに何を食べたってかまいません。コーヒーは朝の一杯がやはり美味しい。体も徐々に軽くなり、肌の調子も上向いてきました。寝起きはラクに、頭はシャキッとし、一日をエネルギッシュに過ごせます。これは、夜10時から2時の成長ホルモン分泌タイムに熟睡していることと、睡眠時間が十分に得られていることの両方が理由でしょう。夜更かしや睡眠不足は食欲を増幅させるそうですが、なるほど身を以て知りました。
 ともかく朝は気持ちいい。早朝の朝露の匂いがいいですね。

習慣は繰り返される

 半ば押し出されるように念願の朝型人間に相成った私ですが、と言って今、朝ニコニコと余裕を持って娘たちをキンダーに送り出せているわけではありません。夜のご褒美タイムを朝へシフトした形ですから、娘たちが起き出してから一日の準備がスタートします。朝食を作って、お弁当を作って、自分の身支度をして、子どもに身支度をさせて……キンダーへ送り届けた足で私もESLへ直行するので、ある程度、部屋の片づけもしておきたい。そんな焦りが娘たちに伝わるのでしょう。双子の妹のほうは、キンダーに通い始めてからというもの朝のご機嫌があまりよろしくない(キンダーは大好きなのですが)。私が提示した服を「これ、イヤ〜」から始まり、「じゃあ自分で選びなさい」と突き放すと「お母さんが選んでくれなきゃイヤ〜」、髪を結んでやると「違う髪型がよかった〜」と騒々しくなります。放っておけばそのボリュームは増す一方で、根気よく対応してみても簡単にはクールダウンせず、しまいには私がヒートアップして朝は戦場の様相です。姉のほうがそんなやりとりを横目に、スローイーターの名に劣らず1時間かけて朝食をとっています。そんな姉を時々せっつきながら、そして妹をなだめ諭し吠えながら、バタバタと出発するのが日課です。
 なぜ5時起きながらこんなにギリギリなのかと我ながらあきれるばかり。娘たちが寝ているうちに食事を準備しておく、自分の身支度を済ませておくなど解決法は頭でわかっているつもりですが、追い込まれてやる気を出す長年の悪癖は抜けず。とは言え、娘たちにとって気持ちのいい習慣とは言えないので、襟を正さなければ。朝の親子関係は、子どもの一日に影響すると言いますしね。
 そろそろ夜も10時。ここらへんで原稿の手をストップし、就寝したいと思います。 明日は平和な朝が迎えられますように。

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2013年10月17日 第42号 掲載

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