Junction 48 • Alone • Fire at Sea


 

Junction 48

 

主役二人の歌声は必聴 2016 ©VIFF

 

音楽が感動的なパレスチナ・イスラエル共同作品

ことしベルリン国際映画祭で最長のスタンディング・オベーションを受け、誰もが納得する観客賞を受賞した作品。カリーム(ヒップホップグループDAMのタマル・ネーファー)はロッド(別名リッダ)という犯罪の多いゲットーでつまらない毎日を送っていた。ある日ガールフレンドのマナー(サマー・クィプティ)達と一緒にテルアビブのクラブで『僕らは政治的じゃない』と歌い、大きな注目を浴びる。しかしその成功の陰で暴力的なユダヤ政府、ラッパー、マナーの家族たちから数々の嫌がらせを受けることになる。『イスラエルの黒人』といわれるパレスチナ人の日常の姿を映しながら、「僕たちは一つになれる」と平等を訴えるウディ・アロニ監督。音楽好きにもお勧めの作品。

イスラエル、ドイツ、アメリカ 1:37 hr

10月 9日(日)   9:30 PM     IN09
10月11日(火)  11:30 AM     IN10

 


 

Alone

 

ゾクッとさせられる光景 2016 ©VIFF

 

迷路が渦巻く恐怖映画は見逃せない

「この映画は怖いよ〜」とトニー・レインズ氏が紹介し、ロッテルダム国際映画祭で観衆を凍りつかせたパク・ホンミン監督のミステリー・恐怖映画。ある日中、ビルの屋上でマスクをした男たちに殺害される一人の女性を目撃したスミン(リ・ジュウォン)は、とっさにカメラを向けてしまう。振り向いた犯人たちに気づかれて自分のアパートに逃げ帰るが、すぐに追いつかれてしまう。襲われて目がさめるとそこは迷路のような近所の路地。自分は裸、そして「助けて」と泣き叫ぶ少年がいた…。一体何が起こったのか、子供、女性、犯人たちは誰でどうなったのか。最後まで画面から目が離せないミステリー映画。

韓国 1:30 hr

10月10日(月)   12:45 PM      IN08
10月12日(水)   9:30 PM      IN10

 


 

Fire at Sea

 

主人公は実際に島に住んでいる少年 2016 ©VIFF

 

EUに逆らい人道的に難民を受け入れるイタリア

ことしのベルリン国際映画祭最高の金熊賞など数々の賞を独占受賞したジャンフランコ・ロージ監督のポエム的なドキュメンタリー映画。舞台はアフリカやアラブから難民を乗せたボートが多く到着するイタリアの小さなランペドューザ島。ゆったりとした島の生活と対照的な悲惨な難民の状況を、島民側の立場から描いている。主人公は12歳の少年サムエーレ。彼が海で遊ぶ暮らしの中に自然に難民の姿が入る。医者は人助けが仕事だといい、漁師は海からくるものは何でもウェルカムだという。難民受け入れ拒否問題の中で、この島が直面している悲しい事実を世界中の人々に知ってもらいたいと語るロージ監督。イタリアのレンツィ首相はこのDVDを全てのEU諸国の首相・大統領に配った。

イタリア、フランス 1:48 hr

10月12日(水)   11:15 AM        IN10
10月14日(金)   6:45 PM        VCT

 

(文 ジェナ・パーク/写真提供 VIFF)

 

 

 

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