バンクーバー国際映画祭では日本をはじめアジアの大物監督による優秀作品が数多く参加する。映画ファンは見逃せないのでチケットの購入はお早めに。

Parasite 半地下の家族 • The Wild Goose Lake • Cherry Blossoms and Demons 命みじかし、恋せよ乙女


 

VIFFオープニング・ガラ

Parasite 半地下の家族(韓国)

Parasite 2019 ©VIFF 

全く先の読めない切迫したブラック・コメディ

今年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した作品。監督は韓国・保守政権時代に『文化芸術界のブラックリスト』に入れられていたサスペンス映画のボン・ジュノで、主演はソン・ガンホ。失業中のキム・キテク(ガンホ)は生活に困り、よそのWifiを使いながら4人家族で質素に暮らしていた。ある日、息子のギウ(チェ・ウシク)が裕福なパク家の英語の家庭教師として雇われると、パク家に家族全員がなんとか雇われるようにと工夫する。無事に雇われてホッとしたのもつかのま、彼らは全く予期せぬ事件に巻き込まれてしまう…。裕福層と貧困層の階級に対する監督の皮肉が感じ取れる作品。

19+ 2:11 hr

上映:
9 月 27日(金)9:00 PM   The Centre
9 月 29日(日)3:00 PM   The Centre
10 月 6日(日)9:00 PM   The Centre

 


 

The Wild Goose Lake(中国)  

The Wild Goose Lake 2019 ©VIFF

大切な人を守るために自分を犠牲にする 

カンヌ、ロッテルダム、バンクーバー国際映画祭になじみのあるディアオ・イーナン監督による犯罪映画で主演はフー・グー。共演にグイ・ルンメイ、リャオ・ファン、レジーナ・ワンなど。刑務所から出たばかりのツォー・ゼノン(グー)だが、早々かつてライバルだったギャングたちに襲われた。警官が巻き込まれて死亡すると、町中のギャングや警察から懸賞金がかかるほど追われてしまう。昔のボスは救助のために美しい夜の女性ルー(ルンメイ)を自分のもとへ送ってくるが…。最も危険な夜のストリートを舞台に中国映画ならではの次元を超えた連続アクションは必見。

19+ 1:53 hr

上映:
10月 10日(木)9:15 PM   Vancouver Playhouse
10月 11日(金)1:30 PM   SFU Goldcup

 


 

Cherry Blossoms and Demons 命みじかし、恋せよ乙女(ドイツ/日本)

Cherry Blossoms and Demons 2019 ©VIFF

女性監督ならではの優しい作品 

ドイツ人のドーリス・デリエ監督は、小津安二郎監督の大ファンだった。小津監督が脚本を書くために使ったという『茅ヶ崎館』に宿泊して、当時の小津映画女優・杉村晴子の付き人だった樹木希林を呼んで一緒に撮影した。 映画は2008年の『HANAMI』の続編で、日独祖母役の樹木希林とハンネローレ・エルスナーの最後の出演作品。ドイツに住む元エリート社員カール(ゴロ・オイラー)は失業して家族を失い、酒に溺れる毎日を送っていた。そんなある日、ユウと名乗る日本女性(入月絢)から亡き父の家を見たいという連絡が入る。ユウと一緒に人生を見つめ直し始めたカールだったが、彼女が突然姿を消してしまう。あきらめきれずに日本を訪れたカールを待っていたのは、ユウの祖母(樹木)だった…。

19+ 1:50 hr

上映:
10月 4日(金)6:00 PM Vancouver Playhouse
10月 6日(日)11:30 AM Vancouver Playhouse

(文 ジェナ・パーク)

 

一般:$15 / 特別上映:$17 / ガラ上映:$22
一般・平日午後5時まで:$13
学生(18 歳以上):$13
シニア(65 歳以上):$13
子供(18 歳未満、子供向けのみ):$10
5枚パック 学生:$50/シニア:$60
6枚パック :$84
10 枚パック :$135
20 枚パック :$260
30 枚パック :$375 など

Tickets
*チケットとは別にVIFF メンバーシップ $2 の購入が義務付けられます。
チケットは、 オンライン(www.viff.org)、または Vancouver International Film Centre (118)

 

映画 年齢制限
PG 保護者の同伴が望ましい。
PG-13 13歳未満は保護者の 注意や指導が望ましい。
14A 14歳以下は保護者の 同伴が必要。
18A 18歳以下は保護者の 同伴が必要。
19+ 19歳以上のみ。
G 制限なし。 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。