Labyrinth of Lies • Bridge of Spies • Alice in the Cities(1974)


 Labyrinth of Lies

 

主役のアレクサンダー・フェーリング 2015 ©Star PR/Mongrel Media

 

ドイツの歴史認識を変えたアウシュビッツ裁判

2016年のアカデミー外国語映画賞の有力候補。1958年のドイツ・フランクフルト。ナチスをタブーとする時代に、若き弁護士ヨハン・ラドマン(アレクサンダー・フェーリング)は、アウシュビッツの戦争犯罪を問う。元ナチス幹部の多くは自分の過去を偽り、携わるべきでない教育や政府関係の仕事についていた。自国の軍人たちが犯罪者となる過去を封印し、沈黙を強いる国とそれに従う国民。歴史を知らずに育った世代のヨハンが、収容所を生き延びた人たちの証言や実証から、ナチス・ドイツの知られざる罪を明らかにしていく。監督はジュリオ・リッチャレッリ。

PG 2:03 hr

上映 : Cineplex Odeon International Village

 


 

Bridge of Spies

 

主演のトム・ハンクス 2015 ©Walt Disney Studios

 

昔を今へ語りつぐスピルバーグ監督の最新作

アメリカとロシア冷戦期の1960年に、実際に起きた「U-2撃墜事件」を描く映画。ロシア領空においてCIAによりスパイ飛行していた米偵察機U-2が撃墜され、パイロットだった米スパイがロシア政府に拘束された。ジョン・F・ケネディ米大統領指令の下、弁護士ジェームス・ドノバン(トム・ハンクス)は不可能とされるスパイ救出作戦に挑む。監督はスティーブン・スピルバーグ、脚本はイーサン&ジョエル・コーエン兄弟という豪華なポリティカル・サスペンス。他の監督が手がけなかった史実と、スピルバーグ監督ならではのピュアな映像に引き込まれるエンターテイメント映画。

PG 2:22 hr

上映 : Cineplex Odeon International Village, SilverCity Metropolis, SilverCity Riverport, SilverCity Coquitlam and VIP

 


 

Alice in the Cities(1974)

 

癒し効果のある主役の二人 2014 ©Wim Wenders Stiftung

 

純真なアリスから目が離せない

1974年に公開された『都会のアリス』はヴィム・ヴェンダース監督を語るに欠かせない作品。ドイツ人記者のフィリップ(リュディガー・フォーグラー)は旅行記を書くためにアメリカを放浪していたが、スランプに陥り帰国を決意。ニューヨークの空港で、9歳の少女アリス(イェラ・ロットレンダー)とその母親に出会い、アリスをアムステルダムまで連れて行くように頼まれる。しかし待ち合わせの場所に母親の姿はなく、二人はアリスの記憶を頼りに祖母を探す旅に出かける。ヴェンダース監督にとって4本目の作品だが「この映画で自分は初めて監督になれた」と語るぐらいに監督自身にとって大切な作品。

PG 1:52 hr

上映 : The Cinematheque, Friday, October 23 - 9:15 PM,Sunday, October 25 - 8:30 PM, Thursday, October 29 - 6:30 PM

 

(文 ジェナ・パーク)

 

映画 年齢制限

PG - 保護者の指導が 望まれる。

14A - 14歳以下は保護者の 同伴が必要。

18A - 18歳以下は保護者の 同伴が必要。

R18 - 歳以下は入場不可。

G, NR - 制限なし。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。