2020年3月12日 第11号

少しずつ日が伸び、クロッカスや梅、早咲きの桜の花が咲き、春の訪れを感じるようになってきた。バンクーバーは桜の街路樹も多く、4万本を超える木々が人々を魅了する。中でもおススメの桜の名所を紹介しよう。

 

︎4月中旬から後半にかけては豪華な八重桜

 

・スタンレーパーク
シェークスピアガーデン、ローズガーデン、テニスコートやロストラグーン周辺。日系カナダ人戦没者慰霊碑のそばは、白普賢や白妙といった遅咲きの桜。

・コールハーバー
カナダプレースからスタンレーパークにかけてのコールハーバーも、曙、ショウゲツなどが美しい。スタンレーパークの入り口に近いジョージアストリート沿いのDevonian Harbour Parkの桜のうち3本は、AIDSで亡くなった人たちを追悼して植えられたものだ。

・オッペンハイマーパーク
夏のパウエルストリートフェスティバルの会場、オッペンハイマーパークには曙やソメイヨシノ。 オッペンハイマーパークの桜は1977年に日系移民百年祭の祝賀行事のひとつとして、植樹されたもの。しかし2008年に、バンクーバー市がダウンタウンイーストサイド活性化計画としてオッペンハイマーパークの再開発計画を発表。桜の木は伐採の危機にさらされたが、日系人を中心とした有志が、「遺産桜を守る会」を立ち上げ守った。たくさんの人の思いが込められた桜だ。

・バラード駅
駅のコンコースの曙が豪華。

・キツラノ
ダウンタウンから入り江をはさんで対岸、グランビルアイランドとキツラノビーチの間にあるベニエパーク。バンクーバー博物館、マックミラン・スペースセンター、海洋博物館周辺のソメイヨシノや曙が、春を感じさせてくれる。 さらに、キツラノビーチ沿いでも、ソメイヨシノ、曙、真っ白な大島桜など。

・UBCキャンパスと新渡戸紀念庭園
ジョージア海峡に面した緑豊かなUBCキャンパスも、バンクーバーの桜の名所として定評がある。日本庭園の新渡戸紀念庭園(大人7ドル)の周辺やボタニカルガーデン、ローワーモール。リージェントカレッジそばには、大きく真っ白な花が目を引く白妙が約60本ある。

・クイーンエリザベスパーク
バンクーバー市のリトルマウンテンと呼ばれる、高台に位置するクイーンエリザベスパーク。ノースショアの山並みとダウンタウンの眺望が美しく、人気の公園だ。37th AvenueとColumbia Streetのドッグパークそばに、遅咲きの寒山。33rd Avenue入り口に近い、キャンビーエントランスに曙、ダックポンド(池)の南側に真っ白なウミネコ。4月12日には日本のお花見からヒントを得たというThe Big Picnic も開催される。(詳細は次ページ)

・バンデューセン植物園
キバナフジで有名なバンデューセン植物園は桜も美しく、Sakura Days Japan Fairの会場となっている。面積22ヘクタールの園内全体に24種類100本以上の桜がある。特に人気なのが、Honorable David C. Lam Cherry Groveの紅枝垂。Rhododendron WalkやMeadow Ponds、Sino-Himalayan Garden周辺にも桜の木がある。

・Callister Park
PNE、ヘイスティングパークに近いCallister Parkの桜は白普賢が中心。開花すると、花色が純白となる豪華な桜だ。八重桜なので、開花は4月中旬から下旬にかけて。

・オークリッジ、ランガラ周辺
オークリッジモールの南、Tisdall Parkには曙、大輪のキクシダレ、早咲きのウィットコム。さらに東に行き、ランガラゴルフコースに近いWinona Parkには曙。

・McSpadden Park
コマーシャルドライブのイタリア人街に近いMcSpadden Parkには、早咲きの彼岸桜、ウィットコム。

・China Creek South Park
マウントプレザント地区にあるChina Creek South Parkは、八重桜が中心なので、開花は遅め。黄色っぽいウコンや濃紅色の関山。

・John Hendry Park(トラウトレイク)
ビクトリアと15th Avenueの辺りにあるトラウトレイクも、春には桜が美しい。淡いピンクの曙やアーコレード。

・ギャリーポイントパーク
日系人とのつながりの深いリッチモンド。特にギャリーポイントパークでは、和歌山県人会が創立35周年を記念して、2000年から桜の植樹を開始。今では新しい桜の名所となり、リッチモンド・チェリーブラッサム・フェスティバルが開催されている。海に面していて、潮風に晒されるという土地柄、寒さに強い曙が、訪れる人を楽しませてくれる。 4月5日(日)にはリッチモンド・チェリーブラッサム・フェスティバル(詳細は次ページ)

・バーナビーマウンテン
標高370メートルのバーナビーマウンテンパーク。バーナビー市と姉妹都市の釧路市が贈ったトーテムポールが並ぶ辺りからは、ダウンタウンの眺望が素晴らしい。Horizons レストランのそばにソメイヨシノ。

・日系文化センター・博物館周辺
日系文化センター・博物館前のSouthoaks Crescentの道路沿いの桜並木。若木ながら、曙が見事な花を咲かせてくれる。

 

そのほか、リッチモンドのミノルパークのミノルチャペルのそばの白妙や、バンクーバー空港そばのMiller Roadの寒山。空港のあるシーアイランドは桜やマグノリアが美しいほか、Larry Berg Flight Path Parkも桜の若木が数本ある。 カナダでも愛される桜。メトロバンクーバーではお花見イベントもいくつか開催される。

 

O Hanami /お花見 2020

4月3日(金)前夜祭 18:00〜22:00 料金:入場料5ドル
4月4日(土)お花見 11:00〜16:00 料金:入場料3ドル
両日とも5歳以下とNNMCCメンバーは無料
場所:日系文化センター・博物館

日系プレースのお花見イベント。 今年、第二回目を迎える前夜祭では、バンクーバーでの初コンサートを翌日に控えた初音ミクとのコラボで、ワークショップとパブリックビューイング。バンクーバーでは、このイベントでしか買えない初音ミクグッズのポップアップショップが開設される。 また翌日のお花見では、日本の春のイベントらしい優美な日本舞踊、迫力のある太鼓、武道のデモンストレーション、春のお茶会、日本文化を伝える書道、折り紙、盆栽の展示なども楽しめる。

 

バンクーバー・チェリーブロッサム・フェスティバル
(Vancouver Cherry Blossom Festival)

2005年に生まれた非営利団体、Vancouver Cherry Blossom Festival が始めたフェスティバル。今年は4月2日から26日まで、さまざまなイベントを行う。バンデューセン植物園、オッペンハイマーパーク、スタンレーパークで、知識豊富なガイドによる桜の紹介を聞きながら、散策するツリートーク&ウォーク(無料)、自転車で桜の名所を訪れるBike the Blossomsなどがその一例だ。

・サクラナイト
日時: 4月23日(木)18:00〜21:00
場所: Stanley Park Pavilion (610 Pipeline Road, Vancouver)
料金: アーリーバード$125 または$150 (約$80のtax receiptが発行される)
ファンドレイジングイベント。Parq Vancouver、The VictorのKawamotoシェフ、シャングリラホテルのNakanoシェフ、Kimシェフ、弁慶ラーメンなどが担当する料理を満喫するイベントだ。

・チェリージャムダウンタウン
日時:4月2(木)3日(金)12:00〜13:30
場所:バラード駅のインドアコンコース
BC World Music Collective Trio、Kotojiro World Music、バンクーバー沖縄太鼓などのパフォーマンス。今年は2日にわたり開催。

・ ザ・ビッグ・ピクニック
日時: 4月11日(土)12:00 〜16:00
場所: クイーンエリザベスパーク
クイーンエリザベスパークでお花見。フードトラックやパフォーマンス(沖縄太鼓や沿岸セイリッシュ族の歌と踊り、中国の扇子舞、韓国の太鼓グループ)。スポンサーがTD Bank Groupということもあり、日本文化にかぎらず、カナダらしい多文化イベントとなっている。

・ バイク・ザ・ブラッサムズ
日時: 4月18日(土)11:00 〜13:00 (変更の可能性あり)
場所: ジョンヘンドリーパーク(John Hendry Park)
Vancouver Cherry Blossom FestivalとVelopaloozaの共催。ガイドとともに、自転車でバンクーバーの桜探検。トラウトレイクのコンセッションスタンドが集合場所。詳細はウェブサイトを確認。
https://www.vcbf.ca/

・リッチモンド・チェリーブラッサム・フェスティバル
(Richmond Cherry Blossom Festival)
日時: 4月5日(日) 11:00 〜 16:00
場所:ギャリーポイントパーク
スティーブストンの桜の名所、ギャリーポイントパークでの桜フェスティバル。お茶席、書道のデモンストレーションといった日本文化体験。フードトラックも来る。

(取材・文 西川桂子)

 

︎UBCは新渡戸紀念庭園周辺がおススメ

 

︎ギャリーポイントパークの曙。和歌山県人会が植樹した

 

︎サクラデイズ・ジャパンフェアが開催されるバンデューセン植物園

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。