2018年11月22日 第47号
カナダで冬を越す日本人にとって、今の時期、一番欲しい日本のアイテムといえば、こたつが上位に上がるだろう。だが、こたつを日本から購入しようと思っても、送料の方がこたつ本体より高かったり、カナダのネットショップでは全く同じこたつが、日本では半額以下で販売されているので、なかなか購入するのを渋ってしまう。(日本で一万円もしない格安こたつが、カナダのネットショップでは$500で売っていたりなどという話も…)どうしたら満足のいくこたつが、満足のいく値段で入手できるのか。そんなところ、こたつ取替えヒーターさえあれば、安くて簡単にこたつが作れてしまうという情報を入手した。これは挑戦するしかない!我が家でも不器用な大人が二人して、こたつを作ることに成功した。本紙ではカナダにいながら、こたつを作る方法を紹介する。
こたつのできあがり
こたつ取替えヒーター
まずはこたつ取替えヒーターを入手する。これは、こたつ本体ではなくて、こたつのヒーター部である。日本でも、こたつが壊れた場合、再度新しくこたつを買い替えるのではなく、壊れたヒーター部のみを購入する人が多いという。
こたつ取替えヒーターは5千円前後で購入可能だ。しかもコンパクトなので、送料のことを考えるとお財布にもやさしい。いろんなメーカーから様々な取替えヒーターが出ているので、どれを買おうか迷ってしまうが、記者の場合、カナダのアマゾンで販売されているこたつ取替えヒーターと全く同じものを購入した。カナダで販売されているくらいなので、どうやらカナダでも使用可能だということ、また実際に使っている人たちのフィードバックも参考にできたのが大きな理由だ。ちなみに値段に関しても、記者が購入した取替えヒーターはカナダのアマゾンで$150で販売されているが、日本のウェブサイトでは実家までの送料込みで5千円であった。
そして、EMS(国際スピード郵便)で、兵庫県にある実家からカナダまで送ってもらった。約1.8キロとコンパクトなので、EMSの送料は5千円程度。一週間で手元についた。ここまでの出費が合計1万円である。
こたつ取替えヒーター
こたつの本体
こたつのテーブル部分はIKEAで購入した。LACKと呼ばれるコーヒーテーブルが、いろんなDIYサイトで勧められていたので、試しに購入($35だが、こたつ製作時はセール中で$25)。サイズは、横90cm、縦55cm、高さ45cm。このテーブルには、マガジンラックがボトムに付いているので、そのラック部分をボトムに付けず、こたつの天板として使用できるのがうれしい。
そしてLACKコーヒーテーブルに、こたつ取替えヒーター部を取り付ける。ここからがDIY本番! 取替えヒーターがコーヒーテーブルから落ちないように木枠を作らなければならない。木枠のサイズは取替えヒーターが入るサイズで、一般的なサイズは29cm x 29cmといわれているが、購入した取替えヒーターの説明書に必ず木枠のサイズが記載されてあるので、それを参考にしたい。木枠は、L型の腕金(Brackets)を使ってネジあるいはボルト(Screws)で、しっかりとコーヒーテーブルにとめる。木枠を作る木、L型の腕金、ネジの3点は、 Home Depotで$10〜15で購入可能だ。
日本のこたつ販売会社のウェブサイトには、子供でも取り替えできるほど簡単だと宣伝していたが、DIYが嫌いな記者の夫でさえも組み立てが可能だったので、この宣伝文句は的を射ているといえるだろう。
IKEA LACK コーヒーテーブル (https://www.ikea.com/ca/en/catalog/products/40104294/)
木枠を作る。木枠は、L型腕金(Bracket)を使って ネジ(Screw)でしっかりとコーヒーテーブルにつける
L型腕金(Bracket)
こたつ掛布団
IKEAのLACKをこたつの本体として使用する場合、こたつ掛布団はキングサイズのComforterあるいはDuvetが最適かもしれない。IKEAやウォールマートまたホームセンスなどで購入可能だ。記者の場合、ずっしり重めのComforterをこたつの掛布団として使用したかったので、ウォールマートでセール中のComforterを$60で購入。軽めの掛け布団なら、IKEAのDuvetも良いかもしれない。
またComforterにかぶせるキングサイズのベッドカバーも必要となった。皮肉なことに今回、こたつを作るにあたって、IKEAで購入したキングサイズのベッドカバーが最高値だった($150)。だが、どうしても自分の好きなデザインのカバーが欲しかったので、これだけは譲ることができなかった。
こたつの掛布団に関しては、サイズやデザインまた生地によって値段が大幅に変わってくるので、軽めの掛布団でカバーがいらない場合は$50前後で購入可能だろう。
120V変圧器は必要か
日本の電圧が100〜110Vであるのに対して、カナダの電圧は110〜120V。日本の家電をそのままカナダで使っている人も多いと聞くが、こたつとなれば火事になっては困るし、せっかくこたつを作ったのにプラグを入れた瞬間に壊れてしまったら、元も子もない。やはり変圧器を購入しようと、近所の変圧器専門店に連絡をしたのだが、カナダと日本の電圧の差は少ないので、日本の電化製品はそのまま使用しても問題ないし、この電圧の差で変圧器を使用する人などいないと言われた。現在は変圧器なしでそのまま使用しているが、変圧器の使用については必ず自己責任で対応してもらいたい。
また差し込みプラグに関しては、日本と同じAタイプなので、変換アダプタを購入する必要はない。記者の場合、こたつ掛布団に不必要な出費をしているので、$200前後でこたつ一式揃えることも可能だろう。また再度繰り返すが、変圧器に関しては必ず自己責任で対応してもらいたい。こたつに関わる事故のないように、こたつを使っていない時は、必ず電源を切ることもお忘れないように。
これから寒さがぐんぐん深まるカナダ、日本のこたつに入って、 ポカポカ快適な冬が過ごせますように。
*参考までに今回のこたつ作りにかかった費用
- こたつ取り替えヒーター $50 (日本のアマゾンで購入)
- 日本からのEMS送料 $50
- コーヒーテーブル $25 (IKEAのLACK。$35がセールで$25)
- 木枠を作るための木とL型腕金とネジ $15 (Home depot)
- コンフォター キングサイズ $60 (ウォールマートで$100がセールで$60)
- コンフォター キングサイズカバー $150(IKEA)
合計:約350ドル
(取材 小林昌子)
※本記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。