バンクーバーに拠点を置くコースタル・シティ・バレエ団が、クラシックバレエ作品「Swan Lake(白鳥の湖)」を上演する。2011年に設立されたまだ新しいバレエ団だが、古典的な作品からオリジナル作品まで幅広いレパートリーを持つ。今回の「Swan Lake」は、ドイツはじめ、世界各国で活躍するアイリーン・シュナイダーさんが振付を担当する。有名な2幕での白鳥の群舞など古典作品の美しい世界も残しつつ、現代的なエッセンスを取り入れた新しい解釈の「Swan Lake」を披露する。

 

今回の「Swan Lake」でオデット役の井上桜さんと、プリンス役のディエゴ・ラマルホさん

 

コースタル・シティ・バレエ、「Swan Lake」のポスター

 

質問事項
1.バレエを何歳から始めましたか? そのきっかけは?
2.コースタル・シティ・バレエ団に 入ることになったきっかけは?
3.バレエダンサーとしての体調管理、 食事などで気をつけていることは?
4.オフタイムはどう過ごしますか? (趣味や最近ハマっていることなど)
5.今回の「Swan Lake」でのパートは? またこの演目の見どころは?
6.今後の夢や目標は?


井上桜(いのうえさくら)さん

 

福岡県出身
杉原和子バレエアート、ゴーバレエアカデミーに所属。
好きな演目:不思議の国のアリス

 

1.4歳から、母に連れられイヤイヤながら始めました。

2.プロになりたいと本気で思い始めた頃にコースタルをバレエの先輩に勧めていただきました。

3.睡眠をしっかりととり、食べたいものも食べ、精力的に踊るようにしています。食事はエネルギーのあるものを少量ずつとるようにしています。

4.読書と日記を書くことが趣味ですが、ゆっくり外出をしたり友人と過ごすのも好きです。最近は映画や日本のドラマ鑑賞にハマッています。

5.白鳥のオデットをさせていただきます。白鳥の美しい腕の動きや、2幕で白鳥の群舞と共に作る幻想的な場面は見どころだと思います。古典的なものとは少し違ったストーリーになっているので、そこにも注目していただきたいです。

6.プロのバレエダンサーとしてカンパニーに入りたいです。どんな演目もこなせて印象に残るダンサーになりたいと思っています。

 

奥野景子(おくのけいこ)さん

 

兵庫県出身
泉バレエ団バレエ教室に通う。Columbia Classical Ballet(アメリカ・2013〜2014)
好きな演目:どれも好きですが、特にくるみ割り人形、眠れる森の美女、ドン・キホーテ

 

1.私の叔母がバレエ教室で先生をしており、気づけばそこに3歳から通っていました。

2.アメリカのカンパニーにいましたが、ビザがとれず、これからどうしようかと思っている時に、たまたま友達にコースタル・シティ・バレエのことを聞きました。カナダのバンクーバーということもとても魅力的でしたし、オーディションを受けることを決めました。

3.睡眠はしっかりとるようにしています。私は食べることが大好きなのですが、舞台の前は、量など制限するようにしています。

4.ゴロゴロしたり、映画やテレビを見たりしています。あとは、たまに日本人で集まってご飯を食べたりします。

5.1幕のパドトロワ、2幕・4幕のリトルスワン、3幕のプリンセス、あとはコールドバレエも踊ります。見どころは、この「Swan Lake」は、ドイツの振付家のアイリーンさんが振付してくださっているのですが、一般的に知られているものとは少し違う設定になっていたり、コスチュームが個性的であったりするので、一味違った新しい「Swan Lake」を楽しんでいただけると思います。

6.バレエダンサーとして仕事ができれば嬉しいです。指導をすることも好きなので、将来は指導もできればな、と考えています。

 

桂島奈々(かつらしまなな)さん

宮城県仙台市出身
左右木健一・くみバレエスクール(日本)、Victoria Academy of Ballet(カナダ2012〜2015)、Coastal City Ballet(2015〜)
好きな演目:ラ・フィーユ・マルガルデ、コッペリア

 

1.バレエは4歳からやり始めました。始めたきっかけは覚えていないのですが、母にバレエスクールに見学に連れて行ってもらい自分からやりたいと言ったと聞かされています。

2.バンクーバーに来る前はビクトリアにあるバレエ学校に3年ほど所属していて卒業後も踊り続けたいと思い、バンクーバーにあるコースタル・シティ・バレエのオーディションを受けました。

3.毎日朝からレッスン、リハーサルがあるので体に負担がかからないように睡眠を大事にしています。多い時は9時間程寝るようにしています。

4.バレエがないときは、バレエの動画を観るときもあれば、一切バレエのことを考えずに友達とスカイプをしてリラックスしています。

5.私は2幕、4幕で4羽の白鳥、その他は群舞をやります。2幕での4羽の白鳥は、4人で手を繋ぎながら踊るのが見どころだと思います。少しでもタイミングがずれてしまうと足がぶつかってしまったりして大変ですが、4人で心を1つにして踊りたいと思います。

6.将来的にはバレエ教室を開きたいと思っています。まだバレエを知らない子供たちにバレエの楽しさ、素晴らしさを教えていけたらいいなと思っています。

 

早田美麗(はやたみれい)さん

 

広島県広島市出身
中田千湖バレエシアターにてバレエを始める。2011年にカナダへ。Anna Wyman School of Dance Artsに1年留学。2012年からCoastal City Ballet所属。

 

1.10歳になる少し前からです。母親が趣味でバレエを習っていて、見学に連れて行ってもらって始めるようになりました。

2.2011年からウエストバンクーバーにあるバレエ学校に留学し始めて、コースタル・シティ・バレエの存在を友達から聞きオーディションを受けました。

3.我慢しすぎないことです。それから、サプリメントで栄養を補っています。

4.たいてい友達と出かけたりしています。今は料理にハマっています。

5.スパニッシュ・プリンセスとリトルスワンです。私たちの「白鳥の湖」は従来のストーリーと少し変わっています。モダンテイストなストーリーを楽しんでいただけたら、と思います。

6.プロフェッショナルで踊るのは6月でやめようと思っていますが、今後は趣味としてバレエを続けていきたいと思っています。はっきりと決まっているわけではないのですが、将来はなにかビジネスができたらな、と思っています。

 

鈴木夢生(すずきゆう)さん

 

千葉県船橋市出身
オーロラバレエ田喜野井教室に通う。Arts Umbrella Dance Company(2014〜2015)

 

1.バレエは3才から始めました。子役のモデル事務所のオーディションに受かった際に親にバレエを勧められ始めたのがきっかけです。始めてからバレエにとってもハマってしまい、事務所をすぐに辞めたそうです。

2.去年までバンクーバーのコンテンポラリーダンススクール、アーツアンブレラにいたのですが、コンテばかりを踊ってみて自分はやはりバレエの方が好きなんだなと気がつきました。そう感じている時に偶然コースタル・シティ・バレエのダンサーさんにバレエのオープンクラスでお会いし、オーディションのことを知りました。

3.よく寝ることです。あとは体が必要としている分はきちんと食事をとっています。また、以前ランチを十分にとらなくてその後のリハーサルで大変な思いをしたことがあるので、それからはエネルギーになるもの、チョコレートやナッツ類も頻繁にとるように心がけています。

4.午前中はほとんど寝ています。家では本を読んだりドラマや日本のバラエティ番組を見て、今は韓国ドラマにハマっています。たまに、天気が良ければカフェへ行ってのんびりしたりします。

5.今回私はリトルスワン(4羽の白鳥)と 3幕ではマズルカ、1幕ではコールドバレエを踊ります。私の思う見どころは2幕です。「白鳥の湖」で一番有名な部分で、一番練習に力を入れている部分でもあると思います。4人の動きがぴったり揃って踊るリトルスワンや、ダイナミックなビッグスワンの踊りはもちろんですが、コールド(群舞) の白鳥たちの足から頭の先まできちんと揃った踊りもとても素敵です。

6.今まではテクニックや身体の柔らかさなどばかりにとらわれていましたが、今回の「白鳥の湖」を通して、上体が綺麗に美しく思うように使えないことに気がつきました。なので、上体や手が綺麗に使えるようになることが今後の目標です。もちろん私はテクニック面にもまだまだ問題があるので、そこは忘れずに努力していきます。バレエとコンテンポラリーダンスの両方が踊れ、人を魅了することのできるダンサーになるのが夢です。

 

臼井里杏(うすいりあ)さん

 

神奈川県出身
東京バレエ団付属東京バレエ学校、東京高等バレエ学校、Royal Ballet School of Antwerp
好きな演目:眠れる森の美女

 

1.バレエは10歳から始めました。仲の良かった友達の発表会を見に行って、やってみたいなと思ったのがきっかけです。

2.エージェントの方の紹介

3.睡眠を十分にとるようにして、食事は少量だとしても毎食欠かさないようにしています。

4.友達と集まってご飯を食べたり、映画を見たり、絵を描いたり、掃除をしています。

5.2幕と4幕のコールド、パドトロワ、イタリアン、プリンセスなど踊らせていただきます。知られている「スワンレイク」よりも少し違った物語の「スワンレイク」を楽しんでいただけると思います。

6.今後もダンサーとして踊っていくことが一番ですが、バレエの教師や自分の体についてもっと知るために、ピラティスの勉強もしていきたいなと思っています。

(取材 大島多紀子 写真 David Cooper)

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。