様々な形での支援プロジェクト  
今回のイベントは復興に関わる日本のNPO 団体等を応援する目的で開催さ れた。イベントホールには各団体のテーブルが用意されバンクーバーからでき る支援の方法を紹介した。
― 「東北復興新聞」HUG というNPO 団体が、主にNPO 団体、自治体、中央 官庁、企業向けに発行している新聞。復興を情報面から支援し、より良い支援 活動の促進を目的にしている。今回はこの新聞を英訳するボランティアを募集 していた。
― 「かたくり舎織姫の会」宮城県山元町で、被災者支援のために立ち上げら れた女性の会。購買する人の用途に合わせて織りあげたストールを販売してい る。手作業で染色をしているバンクーバーの人から糸を購入し、かたくり舎へ 送る資金を募る他、ストールの注文受付も行った。

― 「新澤醸造・酒屋はくさん」宮城県石巻市に酒蔵を構えていた新澤醸造は 震災で蔵が全壊し、同県川崎町に移転した。今回、仙台市の酒屋はくさんが新 澤醸造の大吟醸酒「伯楽星」と、日本酒リキュール特濃ヨーグルト酒のセットを 用意。バンクーバーから日本の家族や友人へのギフトとして紹介された。
― 「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト」筑波大学の渡辺信教 授の研究が中心となって行われている、藻類から石油を取り出し、日本を産油 国にするという壮大なプロジェクト。今回はこのプロジェクトの賛助会員にな る方法を紹介した。
― 「Chance for Children 東日本」被災により経済的に困窮した家庭の子供た ちが塾、予備校、習い事などに行けるようにするため、年間25 万円のクーポン を提供する団体。クーポンは教育サービスに限定されており子供たちが確実に 支援を受けられるような仕組みとなっている。
― 「ふんばろう東日本プロジェクト」被災地で必要な支援物資をアマゾンか ら購入し送ることができるシステムを作った。様々なプロジェクトが存在して いる。その中から今回は、地震、津波、原発事故の被害を受けた福島県を支援 する「ふんばろう福島」と、被災地で動物保護をしている方たちを支援する「ふ んばろう動物班」が紹介された。

ワークショップの参加費はすべて東北支援に寄付
― 「スイート・ローズアレンジメント教室」

Queensberry Flower Company 主催 インストラクターのハインリ クス可奈子さんが、バラを 中心としたフラワーアレン ジメントを紹介。12 人ほど の参加者の中には小さな子 供もいて花を生けて楽しん でいる様子が見受けられた。 「先生は簡単そうに仕上げて いるけれど、自分でやってみ るとバランスをとるのが難 しいですね」、「作品は持って 帰って自宅で楽しめるのが 嬉しいです」 といった声が聞かれた。

― 「キッズ寿司教室」 早々と満員となった人気クラ スではインストラクターの Taka さんの楽しく分かりや すい指導の下、子供たちが2 種類のロール寿司と4 種類 のにぎり寿司を作った。作っ た寿司の立派な出来ばえに 子供たちも満足そう。「お寿 司は大好き、とても楽しかっ た」「ダイナマイトロールを 作るのが一番面白かった」と いった楽しげな感想が印象的 だった。

― 「本格焼き鳥体験ワークショップ」
  ざっ串主催 こちらも満員となったクラス。参加者 は自分で鶏肉やネギを串に刺し、タレ につけて炭火で焼いて仕上げた。イン ストラクターの岩本優仁( まさひと) さんは、焼き鳥についての説明や鶏肉 の切り方や骨の外し方、タレの作り方、 串の刺し方をデモンストレーション、 参加者が熱心に見入っていた。炭火で 焼く作業は滅多にできない経験だけに みな興味深げに取り組んでいた。


ミュージックライブ、クラフトやフードの出店も


 会場内にはクラフト、コーヒー、スイーツなどの出店もあり、来場した人々が買い物を楽しんでいた。イ ベントホールにはステージが設置され、ミュージックライブがおこなわれた。Jesse Kazemir さんによる バイオリンとギターの演奏、Hiroko&Manto さんによる津軽三味線と打楽器の演奏、中島ゆうじさんによ るギター演奏ではManto さんもパーカッションで参加してコラボ演奏も実現。ステージの横に設置された テーブルで食事をとったり、リラックスした雰囲気でライブを楽しむ様子が見られた。屋外では、焼き鳥、 ホットドッグ、ラーメン、焼きそばなどの屋台が出店。雨の中、設置場所を移動するなどのハプニングに見 舞われながらも訪れる人に美味しいフードを提供していた。

 主催代表の小森司さんは「震災から2年半が経ち、( 募金などの) 支援だけでなく今の現地の状況を知っ て頂くことが大切だと感じるようになりました」とイベント開催のきっかけについて話す。「( 来て下さった) お客様はもちろんですが、ボランティアやお店を出していただいた方々が、楽しかったです、と仰っていた のも嬉しかったです。来年4 月にまた開催を予定しています。楽しい企画を用意して皆さんをお待ちして います」と今後の意気込みを語ってくれた。                  ( 取材 大島多紀子)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。