ウエストブロードウェイ沿いのアットホームな私立高校


授業の様子



快くインタビューに応じてくれた生徒たち。左から、大島孝公(おおしまたかまさ)くん、李大熙(リデヒ)くん、太田滋英(おおたしげひで)くん、長谷川誉(はせがわたかし)くん。



学ぶための高校―生徒の細かいニーズにもきちんと対応
セントジョーンズ・インターナショナルスクール(以下セントジョーンズ高校)は、バンクーバー市内のウエストブロードウェイ沿いにある私立の高校だ。通 常のプログラムは通年3学期、1学期4カ月で成り立っており、単位を取って卒業することを目標とした高校と言っても良い。順調にいけば、単位を2年半で終 えて高校卒業資格を取ることも可能なこともあり、早く卒業できるというメリットも。日本の大学への進学を考えている生徒にとっては朗報だ。「やはり、こっ ちの公立高校は5月卒業。日本の大学への進学となると卒業時期が不利になってしまうこともあるんです」と日本人スタッフの上野里香さんは話す。

そのほか、アダルトプログラムやESLプログラムも充実している。海外留学生に加え、高校卒業資格を取りたい人など、生徒全体のニーズに応える学校とし て魅力的に映った。それを反映するように留学生へのサポート体制も万全で、日本人スタッフの上野さんをはじめ、校内には韓国人・中国人スタッフを配備して いる。「毎日少しでも生徒とコミュニケーションを取り、普段から信頼関係を築いていくことを心がけています。それが安心感へ繋がりますから」と話す上野さ んからは、留学生への細やかな配慮が読み取れる。

学校は少人数体制を貫いており、現在の生徒数は総合して100人以下。活気のほうは…と授業にお邪魔してみると活発に意見交換している生徒たちと先生の 姿が。多くて15人ほどで1クラスが構成され、先生の目も一人ひとりまで行き届く。テンポの良いトーンで授業を進める先生はみな熱心で、ジョークを交えな がらの授業は見ていてとても微笑ましいものだ。

先生と生徒の距離が近い、アットホームな雰囲気!
入口に飾っているのは生徒たちが授業で作った色とりどりの絵。「せっかく作ったものですし、いつも飾っています」と、上野さん。さらに進むと、壁の至る ところに写真が。「これも生徒が作ったものなんですよ」と話してくれた。このようにスタッフと生徒の間の距離が近いのがこの学校の魅力のひとつでもある。 授業の合間に学校のことはもちろん、プライベートな相談をされることも少なくないとのこと。

校長先生に会ってこのアットホームな雰囲気に納得。現在の校長先生はリック・シェリーさんが務めている。教師として長年働いてきたというリックさんは、 自身も教室で教壇に立っているとのこと。リックさんが校長先生になって約2年弱だが、その間、教育方面でのプログラムの充実や、何よりも「毎日教室に立つ ことにより、生徒の実情を知ること」を大切にしてきたと語ってくれた。

他の公立高校からセントジョーンズ高校へ移った生徒もいる。公立高校への留学は、現地生徒と混ざっての授業の困難、言葉の壁、そして留学生特有の問題へ の対応が遅れることなどが往々にある。それに対し、セントジョーンズ高校はスタッフのきめ細やかで丁寧な対応が良いとのこと。実際に、「もちろん授業で読 んだりするのは大変。だけど、先生は丁寧に対応してくれる」と生徒の大島孝公くんは話してくれた。

高校生という多感な時期に海外へ1人で行き、学ぼうとする姿勢は素晴らしい。だが他方で学校側のサポート不足や、家族と離れることに不安を覚える人も多 いだろう。セントジョーンズ高校はそういった高校留学に関する不安をまめなコミュニケーションや親身になって対応してくれるスタッフの配備、そしてアット ホームな雰囲気でかき消してくれる。のびのびと本音を話してくれた生徒たちが何よりその証拠であろう。


(取材 金村千愛)

 

掲載:2008年12月18日 第51号

 

セントジョーンズ・インターナショナルスクール

住所:#300-1885 West Broadway Vancouver,
B.C., V6J 1Y5
電話:604-683-4572
ファックス:604-683-4679
ウェブ:www.stjohnsis.com

 


色とりどりのアートの作品たち。通常の授業のほかにも体育やアートの授業もある。

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