6月17、18、19日の週末、バーナビーのスカンディナビアン・コミュニティ・センターで北欧の夏至祭『第16回ミッドサマー・フェスティバル』が開催される。
今年のゲスト国は日本。このイベントをコーディネートしている役員のひとりが在加35年の石村安志さんだ。

 

日本人の石村さんがなぜ、北欧のお祭りに関わるようになったのでしょうか?
近所にフィンランド人が住んでいたことからスカンディナビアン・コミュニティ・センターに出入りするようになり、7年間フィンランド友好会の理事をしています。北欧のインテリアとか木製の家具が好きで、学生時代にデンマークで6カ月学校に通ったことがあります。
このセンターは1996年にノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの4カ国共同出資により非営利団体として設立されました。私は夏至祭で舞台設定を担当しています。歌うことが好きなので、フィンランドとスウェーデンの合唱団『ルナバーグ』にも入っています。

-フィンランド語で歌うのですか?
フィンランド語は発音が母音にいくので、日本語に似ているところがあると思います。レッスンは取りましたが、話すほどではありません。
『ルナバーグ』ではドイツ民謡の『ローレライ』をフィンランド語で歌ったり、ロシア民謡の『ぐみの木』をノルウェー語で歌ったりします。坂本九の『スキヤキ』をノルウェー語で歌ったこともあります。数年前から『さくらシンガーズ』や国歌合唱団『NAVコーラス』でも歌っています。

-北欧の魅力とは?
自然の恵みに溢れたところですね。4カ国がみな違う国なのに、一緒にやっていける寛容さがあります。隣国だからといって仲良くできるというわけでもないですよね。
フィンランドは人口5万人の国ですが、音楽好きの人の割合が高いのか、シベリウス・アカデミーに行く人も多いようです。

-夏至祭の見所を教えてください。
もともと16世紀にドイツで短い夏を祝うために始まったものだそうですが、スカンディナビアの夏至祭では草花で飾られたメイポールの周りで踊ったり、音楽や食事を楽しみます。フィンランドで有名な『奥さん担ぎ競争』も見ものです。1日の終わりにはたいまつがかざされキャンプファイアーとフォークダンスで盛り上がります。今年は約8000人の入場者を予想しています。
野外には400席設置し、土曜日にはメインステージに『ABBA(アバ)』の曲を歌う『ABRA CADABRA』が出演します。ビアガーデンに座って聴くことも出来ますが、指定前売り券(25ドル)もあります。

-どんな食べ物が出されるのですか?
薄いライ麦パンにシュリンプとエッグが乗ったオープンサンド、へリング、ハムやデンマークチーズなどです。IKEAで売られるミートボールほか、デンマークのフラッカデールという合いびき肉のミートボールも作り売りしますので、ぜひ試してください。

-今年は日本がゲスト国だそうですね。
昨年、室内で『NAVコーラス』が歌ったのが好評で、アジアから最初のゲスト国として日本が選ばれました。北欧4カ国の隣のテントで、日本総領事館や日系団体による日本案内や文化の紹介が行われます。地震災害基金テーブルも設置します。
メインステージで沖縄友愛会琉球太鼓や合気道祥門会によるデモンストレーション、NAVコーラス、Pacific North Trio、さくらシンガーズ、館内でも日系パフォーマーが出演します。北欧4カ国と日本の親交を高めるいい機会になればと思っています。

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

石村安志さん

プロフィール : 京都市出身。1975年に北欧の旅に出発し、翌年カナダへ。トロントに15年住んだあとバンクーバーへ。電子機械関係の会社に勤務。スカンディナビアン・コミュニティセンターのミッドサマー・フェステバル役員。趣味は歌うこと、ギター演奏、絵を描くこと、釣りと幅広い。

第16回ミッドサマー・フェスティバル

6月17(金)、18(土)、19(日)
スカンディナビアン・コミュニティ・センター
6540 Thomas Street, Burnaby 
Kensington Ave. & HWY#1:
Exit 32 Westbound from HWY#1
電話 (604)294 - 2777
入場料1日8ドル(12歳以下無料)

http://www.scandinavianmidsummerfestival.org

 

2011年5月26日 第22号 掲載

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