日本のポップ・カルチャー搭載 短編映画『Bon Bon Fire』を制作

シャロン・リンさん

 

『Persistence of Vision Film Festival (POV)』映画祭監督賞の賞状を手にするシャロン・リンさん

 

日本のポップ・カルチャーを搭載したブラックコメディー・ファンタジーの短編映画『Bon Bon Fire』がこのたび、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)主催の映画祭『Persistence of Vision Film Festival (POV)』で監督賞、主演女優賞、編集賞、音楽デザイン賞、プロダクションデザイン賞、観客賞を総なめにした。この映画のシナリオ・監督を務めたUBC映画学科のシャロン・リンさんに話を聞いた。

 

日本語で声の出演をした平野弥生さんから「日本のポップカルチャーを取り入れたユニークで良くできた作品」と紹介されましたが。   

 「はじめ、主役のシンクレアは敬虔なカトリック信者の白人と決めていましたが、一般的な親しみを出すために日本人女子高校生に変えました。それで地獄に住む母のセリフが日本語になったので、平野さんに声の出演をお願いしたのです。

 シンクレアは母の声に命令されて次々と殺人を犯すのですが、死体から出てくるものは血でなくキャンディーなのです」

 

おもしろい発想ですね。

 「大学2年のときにこの案を思いつきシナリオを書きましたが、こんな馬鹿げたストーリーを制作することはできないだろうと思われたようで、映画制作には選ばれませんでした。クラスには18人生徒がいて、その中から6つのシナリオが選ばれ映画制作に進んだのです。

 落ち込んだ私は映像撮影に力を入れようと思いましたがあきらめきれず、4年生のときに約7000ドルを投資して映画を作りました」

 

出演者はクラスメイトですか?

 「いえ、公募してオーディションをしました。学生が作る映画で報酬も出ないのですが、ユニークな作品だから出てみたいと、セリフのない主人公役に約80人の応募がありました。校長先生のミスター・ウィケット役はシェークスピア劇で有名な俳優のジョン・エメット・トレーシーさんが演じてくれました」

 

日本のポップ・カルチャー搭載ということですが?

 「殺人の瞬間にマンガのようなイラストがポップアップするので、そういう印象を受けられたのかもしれません。

 私はマンガやアニメファンというより、むしろ『HOUSEハウス』(大林宣彦監督のファンタジータッチのホラー・コメディー、1977年)、『鉄男』(塚本晋也監督、1989年)、『ナイスの森』(石井克人監督、2006年)などの影響を受けていて、これらの作品の非現実的なユーモアに興味をそそられました。これは『Bon Bon Fire』で使おうと思っていたダークユーモアと連結するところがあります」

 

たくさんの部門で受賞しましたね。

 「観た人から『とてもクリエーティブでイマジネーションがあり、ユニークだった。おもしろかった』などの感想をいただき、自分でも驚いています。

 最後にシンクレアは十字架の上に倒れて死んでしまいます。日常では考えられないような内容のエンターテイメント作品作りに興味があります」

 

今後の予定は?

 「早稲田大学に1年留学します。映像や国際関係を学び、日本語の勉強もしたいです。台湾出身の両親が日本語を話すので、日本には何度か行ったことがあります。『三鷹の森ジブリ美術館』はまた行きたいですね」

(取材 ルイーズ 阿久沢)

 

プロフィール:Sharon Lin:
1994年BC州ニューウエストミンスター市生まれ。ブリティッシュ・コロンビア大学映画制作学科卒業(ビジュアル・アート副専攻)。『Bon Bon Fire』は卒業制作作品。9月から早稲田大学に留学予定。

 

日本人女子高校生が主人公(撮影:Tim Saylor)

 

構想に2年かけ撮影は3日間。10分の短編映画が完成した(撮影:Tim Saylor)

 

『Bon Bon Fire』(タイトル画デザイン:Ben Duncan)

 

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