2019年7月25日 第30号

BCプレースで迎えたサンノゼ・アースクエイクス戦。バンクーバー・ホワイトキャップスFCは幸先よく先制したが守り切れず、白星を逃した。

 

アースクエイクスから厳しくマークされるDFアドナン(中央)。Photo by Preston Yip

 

7月20日 (BCプレース:17,558)
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 1―3 サンノゼ・アースクエイクス

 

 先制はホワイトキャップス。7分にDFヘンリー(#2)がボレーを決めて1ー0。しかし16分にアースクエイクスがMFカザイシュビリ(#11)のゴールで同点に追いつくと、34分にはFWワンドロウスキー(#8)が決めて逆転。79分のダメ押しゴールで試合を決めた。

 

3試合ぶりの得点も勝ちに結びつかず

 先取点はホワイトキャップスだった。フリーキックのチャンスでMFレイナ(#29)がゴール前に上げたボールにヘッドで合わせそこなったヘンリーだったが、足元に転がったボールをボレーシュートすると左隅に突き刺さった。

 2試合連続無得点だったホワイトキャップス。ヘンリーを囲んだキャップスナインは喜びを爆発させた。ホームでの得点は6月22日のコロラド・ラピッズ戦以来。ようやく6試合連続白星なしという暗いトンネルから脱出できるかに見えた。

 しかしすぐに同点に追いつかれるとアンラッキーな形だったとはいえ前半に2点目を取られ逆転を許した。

 マーク・ドスサントス監督は「序盤はすごくよかった」と振り返った。しかし「2点目を取られてからどう対処していいか分からなくなったところがあった」。選手たちにとっても精神的に厳しい2点目だったと思うと語った。ホワイトキャップスGKクレポー(#16)が何度かスーパーセーブでチームを救ったが、フィールドをフルに使い多角的に攻撃を仕掛けてくる相手の方が勝っていたと語った。

 ホワイトキャップスはこれで5連敗。23試合を終え4勝11敗8分、勝ち点は20と変わらず、最下位から脱出できなかった。

 

勝てるチーム作りのための試練の時

 今季はすでにプレーオフ進出の可能性はほとんどなくなっている。ドスサントス監督はその事実を認めながらも「来季に勝てるチーム作りももちろん視野に入れているが、今季もまだチームとして勝つための努力をやっていく」と語った。自分たちはプロサッカーチーム、勝つために試合をやっている、失敗すれば反省して次につなげるためにチームを立て直していくという繰り返しをやっていると説明した。

 ただ最近は試合日程が詰まり、試合を振り返りチームを修正する時間がないというのも事実と監督。カナディアン・チャンピオンシップの日程も入り、ますます厳しくなっているが、今が試練の時と語る。どの試合も全力で戦っていく、将来に勝てるチーム作りだけではなく、今季も可能性がある以上勝つために試合に臨むと前を向いた。

 

ファンにいい試合を見せるために

 この日は久しぶりにバンクーバーに夏空が戻った絶好のアウトドア日和。それでも4連敗のチームを応援するために1万7千人を超えるファンがBCプレースで熱い声援を送った。

 「ファンにはすごく心苦しい」と心境を吐露したドスサントス監督。だからこそプレーオフの可能性がほとんどなくなった今季も全力で勝ちにこだわり戦っていくことを約束した。

 ホームゲームは残り5試合。次のMLSレギュラーシーズン試合は、8月17日D.C.ユナイテッドと対戦する。

 

8月のホームゲーム

8月17日(土)7:00pm D.C.ユナイテッド戦
8月31日(土)7:00pm ニューヨーク・シティFC戦

(取材 三島直美)

 

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