2019年5月23日 第21号
バンクーバーで神輿を中心とした文化活動と各地との交流を行う晩香坡櫻會(以下 櫻會)がサンフランシスコとソルトスプリング島 それぞれの祭りへと招かれた。以下その様子をお伝えする。
朝早くから準備をする桑港樽神輿連の皆さん
菖蒲を用いて
バンクーバーで桜祭りが行われた4月の翌週末にアメリカ・サンフランシスコで行われたのが『Cherry Blossom Festival 』今年で52回目を数えるこの祭りは2週にわたって同地の日本街“ジャパンタウン”で行われ、週末4日間の延べ来場者数は約20万人にも達する春のイベントとしては北米西海岸最大規模の日系祭りである。
同地のジャパンタウンは戦時中の日系人強制収容で姿を消したが1968年に復活。その年に始まった桜祭りは日系住人にとって大きな意義のある催しとなっている 。祭りの間は周辺がロードブロックされステージや飲食等の各種ブースが設けられ来場者は様々な形で日本文化に親しむ。
港街サンフランシスコの歴史ある祭りで一番のハイライトとなるのは最終日のグランドパレードで、そのトリを飾るのが桑港樽神輿連の樽神輿である。日本の祭りには欠かせないのが神輿だがこの街の神輿と神輿會は半世紀以上という海外では一番長い歴史を持つ。そして同祭りでは神輿は神様が乗られ地域が一体となって支えていくという考えでの本格的な神事が執り行われる。この神輿にはロサンゼルスや日本からも参加者があり今回はカナダ・バンクーバーを代表して櫻會のメンバーもここに加わった。北米西海岸を代表する神輿會メンバーと120人程で担がれる神輿は迫力満点で沿道からは大きな歓声と拍手が向けられた。参加する人々の“日本文化への誇りと思い”そして地域と企業とコミュニティが一体となって行われた素晴らしい祭りであった。
サンフランシスコの神輿メンバーとの再会を約束した櫻會は5月11日に海を渡った。向かった先はガルフ諸島のひとつソルトスプリング島中心地ガンジスのピースガーデンで行われた『Blossom Festival』。晴れ渡る青空の下で行われたこの催しは今回で9回目となる。人口1万人程のこの島に暮らす日本人は数十人程だが、島のほとんどの日本人が協力しあっていると言ってもよいこの祭りにはバンクーバーやビクトリアなどからも参加者があった。
太鼓や武道のパフォーマンスに歌や詩の朗読などが行われた祭りのハイライトは“ソルトスプリング合唱団”による合唱である。子供から大人まで参加して童謡や民謡など日本の様々な魅力を感じさせる歌が披露され最後の曲“故郷”が終わった後は、観客からの温かな拍手が沸き起こる感動的なフィナーレとなった。
多くの方がお客さんでありながら参加者やスタッフでもあるアットホームさと日本人コミュニティが協力しあい、島の景色と一体となった魅力がいっぱいのソルトスプリング島の春祭りの素晴らしさは“お祭りは人数や規模ではなくそこに参加する人々の思いや情熱である事”を再発見させてくれた。そして心から応援したくなるお祭りであった。
様々な地で多くを学び交流を育んだ櫻會はいよいよ地元バンクーバーでの神輿担ぎを控える。まずは7月1日グランビルアイランドで行われるカナダデーパレードにて、祝令和、そして日加修好90周年を記念した『海の神輿渡御』毎年日本や各地から参加がある櫻會神輿はただ今参加者を募集している。
詳しくは下記の通り。 Web : www.vancouversakurakai.com Facebook : @vancouversakurai
(記事提供 晩香坡櫻會)
120名程に担がれて祭りのトリを飾った樽神輿
ソルトスプリングアイランドの皆さん