2018年2月15日 第7号
2月10日、例年と同じくブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市・スティーブストンのインドアテニスコートで開催された「打揚会」の国際空手道選手権大会。今年もカナダ各地をはじめ、インド、アメリカからはカリフォルニア州(19名),コロラド州、オレゴン州(9名)、ワシントン州(20名)、そして、日本からは国際武道大学の学生13名も特別参加、400名を超える強豪たちが一年間の鍛錬の成果を競い合った。試合は、6面のリングを効率よく使用、また独自開発したコンピューターソフトによって、出場選手の試合準備・進行、結果表示などをスムーズに運営。45年間の経験が随所に生かされていた。また、例年来賓として観戦するリッチモンド市長のマルコム・ブロディ氏は、世界各地から集まった人たちに「どうぞ試合も、市内観光も心ゆくまでお楽しみください」と心を込めた祝辞を述べていた。
フレンドシップ杯で優勝した国際武道大学の選手たち。(左端)打揚師範、(右端)荒川監督
北米チームと国際武道大学チームとの「フレンドシップマッチ」も特別開催
一昨年に続き、特別参加した国際武道大学は、千葉県勝浦市にあり、武道学科6コースと体育学科8コースからなる。今回参加したのは、空手道専修コースの中の13名。「日本武道を文化交流の一助として世界に広めたい」と意欲を持つ学生が参加した。8日間の日程で、ビクトリアの「健全スポーツ空手道場」のリチャード・モスデルさん宅にホームステイし、英語環境に浸りながら空手の練習にも励んだ。今回の参加は、授業の一環でもあり、単位取得もできる研修制度だ。また、同校には 『別科武道専修課程』で、留学生の受け入れもさまざまな優遇措置をもうけ積極的に行っている。その受け入れ枠が現在20名で、今年、カナダから空手道専修課程に1名が留学予定になっている。 今年も引率として来加した荒川尊祐(たかまさ)監督は「今回の参加者には13名中3名が女子、1年生も多く、空手の技術向上とともにインターナショナルな活動のできる指導者になりたいと志望している者もいます。この体験は、まさにうってつけで、学内でも高く評価されています」と語っていた。
“空手キッズ”の育成にも積極的な打揚会スティーブストン空手クラブ
この大会に子どもたちの参加者が多いのも目につくが、打揚会に所属する各道場でも、子供クラスへの入門希望者が多いという。それもさまざまな文化背景の子弟の保護者が、「人を尊敬し、尊敬される人間に育てたい、行儀作法、集中力を高めさせたい」と日本固有と思っていた精神性を身につけさせることを望んでいることに驚く。試合の控えで待つ正座姿はもちろん、さまざまな場面でのあいさつ、試合の勝ち負けにこだわらず相手を称え合う姿に感心させられる。
打揚会スティーブストン空手クラブの練習は、1972年に建設された本格的なスティーブストン武道場で下記の要領で行われている。
●月曜日/水曜日
女子部クラス 5:30〜6:45pm
●火曜日/木曜日
ジュニア初心者クラス 5:45〜6:45pm
ジュニアカラーベルトクラス 7:00〜8:30pm
アダルトクラス 8:30〜10:00pm
●日曜日
シニアレベルの練習日 10:00am〜12:00pm
(取材 笹川 守)
晴れの在バンクーバー日本国総領事杯を獲得した打揚寿美さん
和歌山市長杯を獲得した松田有司さん
礼儀正しい空手キッズたち
美しく型を決める美少女たち
来賓の挨拶をするリッチモンド市長のマルコム・ブロディ氏
優美にして堂々たるスティーブストン武道場