2018年1月25日 第4号

新年恒例、佐藤会空手道の寒中海岸稽古(メディアスポンサー:バンクーバー新報)が、1月13日、バンクーバー・イングリッシュベイで行われた。長雨が続いていたなか、この日の正午ごろには雨もやみ、稽古に一層の拍車がかかった。参加者数は38人。「この海の水をかぶらないと、一年が始まらない」という“通”の者ばかり。清々しい一年の始まりであった。また、佐藤会糸東流空手道が、さらなる国際化を図るため、綱領を改めて再スタートを切った年の、はじめての寒中海岸練習でもあった。

 

海岸で勢揃い

 

空手道の精神は、今、世界各地で待たれている

 佐藤会の佐藤義輝会長が、座右の銘とする『堅忍不抜(けんにんふばつ)』…目的を成し遂げるまでは、忍耐を貫く…という精神は、この寒中海岸稽古にも込められている。人生には、様々な困難も待ち受けている。そんな局面に遭遇したときにも、じっと耐える精神力を鍛える方法のひとつとして、48年前からこの稽古をはじめたのであった。以来、ここイングリッシュベイの正月の名物行事として定着。参加者は、すべてが自主参加。一度参加するとリピーターが多いというが、「我慢の心、他に愛を与えられるだけの余裕ある技量や精神を高めるための鍛錬をする」…ということへの共感が得られているからではないだろうか。

 忍耐や礼儀といった空手道の精神は、日本人にしか通用しないような響きがあるものだが、実際には、このバンクーバーでも人種、文化背景を超えての練習生が圧倒的に多く、共感を得ている。『佐藤派糸東流空手道国際連合』を形成(別表参照)。先進国からはもちろん、経済的、政治的にも不安定な国々からも指導を要請され、積極的に出掛けている。「現地で練習に共に汗を流し、語り合うとき、民族紛争さえ解消できるのではないか」と、ふと思うときがあると、佐藤代表が語っていた。

 佐藤会の新綱領のなかにも「平等の精神」を明記し、世界のどの地でも、どんな文化背景や経済格差があっても共感が得られるインターナショナルな活動をさらに加速していくという。

 

清々しい笑顔が印象的

 冬の海で、練習着に着替え、裸足で浜辺に立つ辛さは、観客の「アンビリーバブル!」の声が物語る。しかし、準備体操、型、組手と進むうちに体は赤らみ、気合が入る。そして、いざ海中へ。上がってからは、互いをたたえ、ふざけ合い、笑い、体からは湯気が立つ。体験者の「清々しい!」「今年も気合を入れてがんばります!」の声が、何よりの成果の証明だ。

 空手が、2020年の東京オリンピックの正式種目に選ばれ、一気に空手の認知度が高まっているが、スポーツ競技としての空手のあり様が各団体でも議論の的となっているようだ。メダル獲得への道は、当然強さを磨くものだが、空手古来の精神性鍛錬との融和が重要だ。競技に当たっては、勝ち負けのフェアな判定基準のあり方に困難さも予想されるが、世界の叡智を集めて決定してほしい。少なくとも空手が暴力の武器として助長されないよう願いたいものだ。

 

参加都市一覧
ジンバブエ、南アフリカ、スイス、ポルトガル、イスラエル、マカオ、日本、バングラデシュ、アメリカ、イラン、フィリピン、ブータン、モザンピーク、スリランカ、インド、ベネズエラ、ドイツ、カナダ、ネパール、ウエストバンク、サウジアラビア、アルゼンチン、チリ、ボツワナ

 (取材 笹川 守)

 

元気ハツラツ佐藤代表(74歳)

 

(左)日本からワーホリで来て初参加の澤崎愛さん(右)リンダさん

 

組手の練習

 

BCITニュースのインタビューを受ける堀田会長

 

 

 

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